米政府は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアの空港で昨年殺害された事件で、北朝鮮当局が正男氏殺害に化学兵器のVXを使用したと認定するとともに、北朝鮮に追加制裁を課したそうです。 |
『米政府、北朝鮮に追加制裁 金正男氏殺害で化学兵器使用と認定』
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米政府は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアの空港で昨年殺害された事件で、北朝鮮当局が正男氏殺害に化学兵器のVXを使用したと認定するとともに、北朝鮮に追加制裁を課した。米国務省が6日発表した。
制裁は概して象徴的な意味合いが強い。国務省の発表によると、政府は武器輸出管理法に基づく北朝鮮への武器販売や、安全保障に関連する製品や技術などの輸出を禁止する。
同省のヘザー・ナウアート報道官は発表文書で、生物・化学兵器を規制する法律に基づき、2月22日にこの決定を下したと説明した。北朝鮮に対する追加制裁は3月5日から実施されている。
連邦公報によるとティラーソン国務長官は、北朝鮮が「国際法に違反して化学兵器を使用したか、自国民に対し致死性化学兵器を使用した」との見解を示した。
【REUTERS(ロイター) 配信】
最近
「あの事件の実行犯とされる女2人の公判が2月22日に首都クアラルンプール近郊の高裁で開かれた」という報道がありました。
起訴状などによると事件は『昨年(2017年)2月13日、クアラルンプール国際空港で2人の女性被告が金正男氏の顔面に猛毒神経剤「VXガス」を塗り付けて殺害した』というもので、2人の実行犯のほかに北朝鮮国籍の男性、在クアラルンプール北朝鮮大使館員など8人が事件への関与を疑われたものの、いずれも証拠不十分などで起訴されずに北朝鮮に全員が帰国したとされています。
その後は
実行犯2人についての裁判中ということになりますが、事件に関与した疑いのある北朝鮮国籍の男性や北朝鮮大使館員は既に帰国済で、関与についての真実は不明のままで、その解明の見込みはないようです。
そんな中での今回の報道ですが、「北朝鮮当局が正男氏殺害に化学兵器のVXを使用した」と認定し、それに基づく追加制裁ということで、米国の毅然とした姿勢が感じられました。
詳細は不明で、
関与した証拠などもなく、ある意味では「状況証拠による認定」ということになるものと思われますが、きちんとした捜査が行われることなく帰国しており、捜査に強力する姿勢もみせていないことを考えれば、「この認定もやむを得なし」という意見は多いものと思われます。
これは結局、各国をまとめる国際機関が存在しない(国連が適切に機能していない)ことが、断固とした「真相究明と犯罪行為への懲罰」を阻む大きな要因になっているということであり、そんな中での「米国による本来あるべき姿への試みの一つ」ということが、いえるのだと思います。
この問題については
中ロが積極的に協力すれば、もっと真相究明へと進んだと思います。
残念ながら、そうはなりませんでしたが、そんな中でも民主主義国の一つの姿勢が示されたという点において、大いに評価されるべきものだと思われます。