日本の安倍首相とメイ首相は「安全保障協力に関する日英共同宣言」を発表し、その中で、「日英間の安全保障協力の包括的な強化を通じ、われわれのグローバルな安全保障上のパートナーシップを次の段階へと引き上げる……」と述べ、日英関係をパートナーの段階から同盟の関係に発展させることを宣言したそうです。 |
『今なぜ日英同盟「復活」なのか』
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現代の世界は第一次世界大戦前と酷似しているという英国の歴史家は多い。大国が衰退を始め、それに乗じて別の国家が膨張し、混沌(こんとん)と不確実性が世界中に蔓延している。欧州では統合を率いてきた英国がEU(欧州連合)からの離脱を決めた。ロシアはウクライナ領のクリミアを事実上併合、第二次世界大戦後初めて中東に軍事介入し、バルト海では軍の活動を活発化させている。
一方、アジアでは中国が南シナ海の島々に軍を駐屯させ、空母の建造を推進、太平洋の西部にまで海軍を展開させ、海のシルクロード構想のもと海洋進出を着々と進めている。
そして、米国は世界の警察官としての座から退くことを表明、海外の紛争に関わることに消極的になっている。
日本の安倍首相とメイ首相は「安全保障協力に関する日英共同宣言」を発表し、その中で、「日英間の安全保障協力の包括的な強化を通じ、われわれのグローバルな安全保障上のパートナーシップを次の段階へと引き上げる……」と述べ、日英関係をパートナーの段階から同盟の関係に発展させることを宣言した。そして、「日本の国際協調主義に基づく『積極的平和主義』の政策と英国の『グローバルな英国』というビジョンにより」と述べ、英国がグローバルパワーとして、日本との同盟関係を活用して、インド太平洋地域の安定に関与していく方針を明確にした。
【WEDGE Infinity 配信】
この2日に
マティス米国防長官が議会証言で、米国とソ連(当時)が1987年に締結した中距離核戦力(INF)全面廃止条約に、ソ連の継承国であるロシアが「違反している」と明言し、これに対抗するために、「我々も選択肢を持つ」と2種類の小型核兵器の導入の理由を説明したばかりです。
勿論ロシア側の言い分もあるとは思いますが、クリミア併合や、シリアのアサド政権擁護、北朝鮮への石油移転疑惑、国家的ドーピング問題など、度を越した振る舞いと受け取られる報道も多く、また北方領土に最新鋭ミサイルを配備するなど、大きな脅威であることは間違いありません。
ロシアは
前回03年の下院選の比例区において、統一ロシア、共産党、自民党、祖国の4党が議席を獲得しており、一党独裁国家ではありませんが、プーチン大統領は4期目も当選が確実視されており、在籍年数は20年を超えるとのことで、とても民主主義国家とは言いにくい側面を覗かせています。
中国は一党独裁国家であり、ロシアを含めたこの二大大国が、自らの国益を優先させて暴走する危険を孕んでいるといえないこともありません。
そんな
国際的な状況下において、日本と英国が同盟関係を強調するということは、とりわけインド太平洋地域における中国の動きを牽制するという意味において、重要なメッセージを送るものであることは間違いないと思います。
中国やロシアが真の民主主義国家となり、国際的な安定が保たれるまでは、民主主義国家間での強力な連携を押し進める必要があり、今後は英国だけではなく他のヨーロッパの国々やNATOとも連携し、より強固な協力体制を構築して欲しいと思います。
そしてこれまで何度も提唱させていただきましたが、一刻も早く真の民主主義国だけの国際連合を設立して、そこに権力を集中させることで、本来あるべき形での安全保障を実現していただきたいと思います。