米欧州軍のカーティス・スカパロッティ(Curtis Scaparrotti)司令官は13日、ドイツがファーウェイの技術を採用した場合には、ドイツ軍との通信を断つ方針を示したそうです。 |
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)をめぐり、米国が欧州諸国に対して、同社を第5世代(5G)移動通信網構築への参入から排除するよう圧力を強めている。米欧州軍のカーティス・スカパロッティ(Curtis Scaparrotti)司令官は13日、ドイツがファーウェイの技術を採用した場合には、ドイツ軍との通信を断つ方針を示した。
米国と欧州の同盟国は、中国政府と緊密な関係にあるファーウェイは安全保障上のリスクをもたらすと懸念し、5G通信網構築の入札からファーウェイを排除してきた。
北大西洋条約機構(NATO)軍最高司令官を兼務するスカパロッティ氏は13日の米下院軍事委員会で、ドイツを念頭に置いた欧州との貿易交渉に関する質問を受け、「特に5Gについて、周波数帯域幅の情報処理能力や性能は途方もないという点で、電気通信の根幹に関わる」と懸念を示し、防衛通信網内にそうした危険が存在する国とは通信しない考えだと述べた。
ファーウェイの5G技術は、スウェーデンの通信機器大手エリクソン(Ericsson)やフィンランドの通信機器大手ノキア(Nokia)といった競合他社をはるかにしのぐと高い評判を得ており、早急に5G通信網を展開したい通信事業者にとっては魅力的な選択肢となっている。
【AFPBB News 配信】
日本における
中国情報サイト「Record China」では次のように報じられています。
『2019年2月19日、米華字メディアの多維新聞は、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の次世代通信規格「5G」分野への参入をめぐり、米国を中心に排除の動きが強まる中、英国に続いてドイツもファーウェイの5G参入を認める可能性が伝えられているとし、「米国が再び同盟国の裏切りにあうことになるかもしれない」と報じた。 』
『記事は、英紙フィナンシャル・タイムズが17日付で、ファーウェイの5G参入をめぐり、英政府通信本部(GCHQ)傘下の国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)が、ファーウェイ製品を5G網に導入しても安全保障上のリスクは抑えられると評価したことを紹介した。 』
『その上で、米ブルームバーグが19日付で「複数のドイツ当局者によると、ドイツ政府は同国の5G網の構築にファーウェイの参入を認める方向に傾いている」と報じたことを紹介し、「これは、米国の同盟国がワシントンによるファーウェイ排除戦略に対立する最新の事例だ」と報じた。 』
『記事はまた、こうした報道について、ドイツのアルトマイヤー経済相が19日、「ファーウェイの参入を認めるかをめぐり、政府部内でなお協議している」と述べたことも紹介した。 』
イギリス及びドイツには
ファーウェイの参入を認めても安全保障上のリスクを抑えられるとの評価があるようですが、これを踏まえての米欧州軍司令官の方針開示ということのようです。
詳しいことは分かりませんが、今安全保障上のリスクを抑えられたとしても、今後どのような展開になるかを予測することは難しく、また何よりも一党独裁の非民主主義国である中国の通信企業が業績を伸ばし、大きく飛躍すること自体が、国家への情報提供など、ある種の不安を掻き立てることは否めないものと思われます。
国の権力が強く、
またその国の方針を決める代表が国民によって選ばれていないという事実は大変重く、いかに経済が潤おうとも、その国との貿易を盛んにすること自体が大きな矛盾を抱えていることを忘れるべきではないと思います。
2017年12月には次のように報じられています。
『米ソ両国が東西冷戦中の1987年に署名した中距離核戦力(INF)全廃条約から30年を迎えた8日、米国務省はロシアが条約に違反して中距離巡航ミサイルの開発・実験・配備を続けていると批判し、通常弾頭型の中距離ミサイルの研究開発を含めた対抗措置を検討すると通告した。』
また
今月13日には米国防総省当局者の話として次のような報道がありました。
『米国が射程約1千キロの地上発射型巡航ミサイルの発射実験を8月に行う方向で準備を進めていることを明らかにした。11月には中距離弾道ミサイルの発射実験を行う計画としている。』
『いずれもトランプ政権が2月、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を正式通告したのを受けた措置で、先に条約違反の巡航ミサイル配備に踏み切ったロシアに対抗していく姿勢を明確にした。』
ロシアの
プーチン氏は24年間に渡って国の権力を自由にできる立場にあり、やはり民主主義とはかなり矛盾する体制にあるものと思われますので、つまりは非民主主義である2大大国が軍事力を強化してしていることを思えば、今回報道の趣旨は理解できるものと言えるのではないでしょうか。
特定の権力者によって様々な秩序が踏みにじられる危険性を避けるには、常に国民の審判により交代させられるという仕組みが必要で、その意味では民主主義という基準を大切にしなければならないと思います。
世界中の国々が
民主主義国家となれば国連も正常に機能するので、安全保障も強化されますし、経済連携も制限する必要はなくなります。
早くそのような時代がくることを切に願うばかりです。