「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」の改訂では、「果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性があり、糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる」と明記されたそうです。 |
『「果物が動脈硬化のリスクを低減」改訂動脈硬化性疾患予防ガイドラインで推奨』
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今年改訂された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、果物の適量摂取が冠動脈疾患などのリスクを低減させる可能性が記され、健康効果の見直しが進んでいる。専門家らは「健康なら、気軽に果物を食べてほしい」と呼びかけている。
果物の摂取は以前から推奨されていたが、疾患予防との関連は明らかにされていなかった。改訂では「果物の摂取量を増加させることは動脈硬化性疾患予防に推奨できるか」との問いを記載。「果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性があり、糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる」と明記し、強く勧められる推奨レベルAに分類された。
久保喜弘医長は「果物の良い研究成果が蓄積されてきた結果」と評価した上で、「太る-と誤解があるが、果糖と通常の砂糖は代謝メカニズムも違う。健康であれば、適量の果物が肥満や糖尿病を引き起こすとは言いにくい」と指摘する。
ガイドラインによると、果物の摂取量が多いほど心血管疾患や冠動脈疾患、脳卒中などのリスクが低下。特にナシやかんきつ類、リンゴとの関連性が強いという。グレープフルーツやキウイ、ベリー類で、動脈硬化の要因となる悪玉コレステロールと中性脂肪が減少したとの結果も紹介されている。
【産経ニュース 配信】
いわゆる動脈硬化には
主に二つのタイプがあるそうです。
一つは動脈の内側にコレステロールなどの脂肪性物質が沈着して血管が狭くなるもので、これはアテローム性動脈硬化症と呼ばれています。
血管が狭くなると血液の流れが悪くなりますが、そうなると脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などを誘発する恐れがあるといわれています。
もう一つは
細い動脈の内腔が弾力性を失ってかたくなるもので、これは細動脈硬化症と呼ばれています。
この場合は、血管が破裂しやすくなるため、血圧が高くなると脳出血を引き起こすことがあるそうです。
この動脈硬化の原因としては、
コレステロールの過剰摂取や高血圧、タバコ、糖尿病、肥満、加齢などが指摘されていますが、これを防ぐためには、脂肪分やコレステロールの摂取量を減らし、野菜や果物の摂取量を増やすことが推奨されています。
果物にはペクチン(食物繊維)やβカロテン、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれており、これらがさまざまな効果をもたらします。
たとえば
ペクチン(食物繊維)は動脈硬化の予防に効果がありますし、βカロテンやビタミンCは抗酸化作用により細胞の老化を進行させる活性酸素を抑える効果がありますし、カリウムは高血圧予防に効果が期待できるそうです。
ただ、肥満体質の人や中性脂肪の値が高い人は、糖分を摂りすぎると肥満を進行させる恐れがあるため、果物の摂りすぎには注意が必要です。
糖には
果糖の他にブドウ糖や砂糖などがありますが、ブドウ糖はインスリンや血糖値を上昇させるのに対して、果糖はインスリン分泌の刺激が弱く、血糖値も直接的には上げないといわれています。
ちなみに、砂糖はブドウ糖と果糖の結合したものなので両方の性質を持つものといえるようです。
代謝という側面で見ると、ブドウ糖は吸収後、血糖として全身の血液に運ばれ、運ばれた血糖の量に応じてインスリンが分泌され、各細胞で余った糖分は体脂肪として蓄えられるのに対して、果糖は、ほとんどが肝臓で代謝が行われるため、血糖値は上昇しませんが、各細胞へ届けられることなく、中性脂肪として合成されるため、非常に吸収が早いという特徴があるそうです。
つまり果糖の特徴は、
吸収が早く、体脂肪として蓄えられることはない反面、血糖値を上げないため満腹感が得られず、つい食べ過ぎてしまう傾向が強いということになります。
果物の効果と性質を知った上で、皆さんの健康に役立てていただければ幸いです。
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」ということもあります。くれぐれも食べ過ぎにはご注意願います。