トランプ氏が大統領令に署名したようです。
【トランプ大統領、TPP永久離脱=「米国第一」で政策転換―日本も名指し批判】
【ワシントン時事】トランプ米大統領は23日、環太平洋連携協定(TPP)からの永久離脱を、大統領権限に基づき米通商代表部(USTR)に指示した。
[略]
トランプ氏は大統領令の署名に先立ち、米企業幹部らと会談。日本や中国の市場が閉鎖的だと批判した。2月上旬にも行われる見通しの日米首脳会談で、安倍晋三首相に2国間協定交渉の検討や一層の市場開放を求める公算が大きい。
(時事通信 配信)
トランプ米大統領が、大統領令に署名したということですが、それがどういうものかを調べてみました。
ウィキペディアには、
次のような記述がありました。
「君主国や立憲君主国における勅令に相当し、法律と同等の効力を持つが、権限の制限範囲は憲法で明確に規定されているわけではない。」
「1907年から大統領令に番号が振られ始め、リンカーン大統領が1862年に発令した『奴隷解放令』まで遡って番号を振った。日本で有名なものに1942年2月19日付けの大統領令9066号がある。これは軍が国防上の必要があると認めた場合には強制的に立ち退きさせることを認めたもので、これが大規模な日系人の強制収用の根拠となった。」
「なお、大統領令の権限は無制限ではなく、連邦最高裁判所が違憲判断を出したり、連邦議会が反対する法律を作ったりすることによって、それに対抗することができる。」
違憲判断や議会の反対法律によって
対抗できるようですが、1942年2月19日に大統領令9066号が発令された後、3月29日から強制収容が開始されたという史実を見れば、施行は即時で、その変更には時間がかかるということが分かります。
このように、議会の承認無しで、多くの政策施行が可能となる仕組みがあるということは、仮に後で議会によって対抗措置がとられることがあるとしても、一時的には大統領の意思が実現することを意味しており、その影響力の大きさを示すものといえます。
今のところ、
議会の動きなどは報道されていませんが、いくつかの大統領令の発令により、少なくとも一時的には、大きな政策転換が決まったと、いえるようです。
今回、アメリカの政治制度を垣間見ることになりましたが、大統領の権限の大きさは想像以上に大きく、今後のトランプ大統領の動向と、それによって生じる軋轢に、大きな注目が集まることは、間違いないようです。