世界幸福度ランキング上位は、上からノルウェー、デンマーク、アイスランド、スイス、フィンランドだそうです。
『「世界で最も幸福な国」はノルウェー、国連報告書』
国連(UN)が20日発表した2017年版の世界幸福度報告書(2017 World Happiness Report)によると、2016年版の同報告書で4位だったノルウェーが首位に躍り出た。
世界幸福度ランキング上位にはこの他、北欧の近隣諸国のデンマークとアイスランド、そしてスイスが名を連ねている。
報告書は、福祉、自由、寛容、正直、健康、所得、良好な統治などの「幸福度を支えると考えられる主な要因のすべてにおいて、トップ4か国はみな上位にランクしている」としている。
以下フィンランド(5位)、オランダ(6位)、カナダ(7位)、ニュージーランド(8位)の順で、オーストラリアとスウェーデンが同点で9位だった。
上位10か国はすべて裕福な先進国だが、報告書によれば、お金だけが幸福に結びつく要因ではないという。
【AFP=時事 配信】
米国は、13位となり、昨年から2ランク上昇。ドイツは16位、英国は23位、フランスは32位で、中東の王国が続いた後、イタリアは50位、日本は53位となった。
世界で最も人口の多い中国は83位で、最も大きい民主主義国のインドは118位だった。
報告書の作成者らによると、一人当たりの国内総生産、社会的支援、健康寿命、社会的自由、寛容さ、汚職のなさの6要素で、各国間の違いの約4分の3を説明できるという。
【AFP BB NEWS 配信】
ノルウェー、
デンマーク、フィンランド、スウェーデンといった北欧国家は、大きな政府といわれていますが、これを見る限り、大きな政府の方が幸福な国となっているようです。
ちなみに大きな政府の特徴は、経済や社会保障政策に積極的に介入することで、完全雇用・富の再分配・計画経済・保護貿易といった方向性が打ち出されることが多く、そのために財政費用が大きくなり、税金を高くする傾向が強いといわれています。
一方小さな政府の特徴は、政府の介入をできるだけ少なくすることで、規制緩和・低福祉・自由貿易・民営化といった方向性が打ち出されることが多く、税金(特に法人税)を安くする傾向が強いといわれています。
今回の国連の報告書を見る限り、
大きな政府に軍配が上がっているようですが、これは「将来の安心した暮らしが保障される」ということについての、期待感の大きさを示しているものと思われます。
将来の安心した暮らしが保障されていれば、たとえ高い税金を払い、現金がほとんでなくても、手持ちの現金の全てを消費に回すことができます。大企業の富は再分配されて、多くの消費力を育て、その結果、多くの生産力を支えます。
一方、小さな政府では、自由な競争により、グローバル企業がとてつもなく大儲けしますが、その儲けは、さらなるグローバル化のために費やされるので、大半の国民にとっては、それほど恩恵を受けること(消費力が上がること)にはなりません。つまり、いくら税金が安くなっても、いくら安い製品が市場に溢れても、それを消費することができません。
1960年頃の日本は、
敗戦からの復興過程でもあり、貧しい暮らしをしている人が多かったと思いますが、毎年所得が上がっていたこともあり、ローンなどを利用して、高い電化製品を買う人も多かったといわれています。
この時代は、企業がグローバル化する前で、企業が成長すると同時に、その成果を多くの国民に還元(所得倍増)していたため、その意味では、大きな政府ではなく、企業自らが「富の再配分」を行っていたともいえます。
少々高いものでも、
給料が上がるし、残業で頑張れば買える、という安心感に基づく行動をみる限り、先々の安心感が消費力増大に果たす役割を、みごとに証明していると思います。
そして、その消費力を背景にすることで、生産力の増大が可能であることは、既に知られているところです。
歴史を振り返れば、
日本でも、過去に戦国時代があり、その悲惨さが歴史本や、映画、テレビドラマなどで伝えられています。
つまり、「自由に競争させる」ということが、どういう結果をもたらすかということについては、既に学習済み、ともいえるのでは、ないでしょうか。
今後は「大きな政府」について、もう少し詳しく調べていきたいと思います。