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「天下り」の再調査が実施されるようです。

『新書式で天下り再調査 文科省、全職員が対象』

松野博一文部科学相は24日の衆院予算委員会で、組織的天下りの全職員調査について、新たな書式で再実施する方針を明らかにした。職員に配布した調査票のうち、証拠がなければ他の職員の不正を指摘できないとした部分を修正する。

松野氏は、調査票に不備があったとして「早急に再度調査を実施したい」と述べた。調査票で証拠を求めたことは「正確性を担保する観点から記載した」と説明した。
【産経ニュース 配信】

「天下り」について調べてみました。

まず「天下り」とは何でしょうか。

これは中央省庁(行政機関)の官僚が退官した後に、民間企業や特殊法人、独立行政法人、あるいは地方自治体などの重役(役員や幹部職)として再就職することをいいます。

官僚というのは、国家公務員試験に受かった、一定以上の地位にある国家公務員のことを指していますが、特に局長以上の地位についている官僚を、高級官僚と呼んでいるようです。

公務員の中でも、国家公務員一種試験に受かった人はキャリアと呼ばれ、この人達は課長補佐または課長くらいまでは必ず昇進するといわれており、それ以外の公務員はノンキャリアと呼ばれ、どんなに仕事の能力があっても、ほとんど課長補佐止まり(稀に課長に昇進する場合もある)といわれています。

ではこの官僚はなぜ「天下り」をするのでしょうか。

省庁では事務次官が最高位とされており、官僚は、これを目指して競争を繰り広げることになりますが、部下に自分の年次よりも上の人がいると、仕事がやりにくくなるということから、同期から次官が一人出ると、他の同期生は勇退する慣習があるとのことです。

つまり課長クラス以上になると、事務次官を諦める人が少しずつでてきて勇退を考えますが、その人たちはまだ40代や50代であることが多く、いわゆる定年退職には早すぎる年齢のため、それまでの生活のことを考えて、「天下り」という仕組みを利用することになったといわれています。

「天下り」で、

民間企業などに重役として受け入れてもらえば、高い給料が保障されることになりますので、勇退しやすくさせる仕組みともいえます。

キャリアの人達は、東京大学のほか、難関国立大学やトップクラスの私立大学出身者が多く、民間で活躍している同窓者と同様の報酬でなければ、勇退の意味がないという考え方もあるようです。

この「天下り」が良くないとされる理由は

どこにあるのでしょうか。

それは、「天下り」を受け入れた企業は、彼らの給料を保障しなければならないので、当然、高額な人件費が必要となり、役所はその企業が儲かるように、国の仕事をどんどん発注することになる、という構図ができるところにあります。

本来なら競争入札制度があり、もっと安い金額で仕事を受け入れる企業があるにも関わらず、「天下り」を受け入れた企業への発注を優先しようとして、勝手に随意契約を結ぶなどの方法がとられ、結果的に競争入札より高い金額で仕事を発注することになります。

つまり「天下り」のために、多額の税金が使われることになり、それは他の必要なところへの予算が、削られることを意味しており、国民にとっては大変迷惑な話といえます。

高級官僚のほとんどは

「東大の法学部出身」といわれていますが、キャリアと呼ばれるほとんどの人は、途中でハーバード大学やスタンフォード大学とった欧米の一流大学に留学しているというデータもあります。これにも当然、国民の税金が使われることになります。

行政組織においては、東大のトップクラスの人間が国の役所に就職し、 各地方のトップの大学を出た人間が、その地方の県庁に就職するという構図がみられますが、ある意味では、日本の将来設計は官僚が行い、国会議員はそれを追認しているだけ、という考え方もあるようです。

そうだとすると、日本の将来設計を行うにあたり、自分たちの利益を最優先に考えるのは当たり前で、「天下り」のようなシステムが作られ、一向になくならないことにも頷けます。

日本の教育は記憶力重視という側面が強く、

仮に難しい試験を突破したからといっても、記憶力以外の、たとえば発想力や創造力などの能力も、同様に優れているとは、必ずしもいえません。

欧米の一流大学では、いわゆる公式を覚えて応用する人を育てることよりも、むしろ、公式を作り出す人を育てることに重点をおいた教育をしている、というデータもあります。

日本の行政においては、いろいろな側面で、実情とあっていないものも多く、それにも関わらず遅々として改善されないと、感じられることも多いと思いますが、その原因の多くは、これまでみてきた官僚制度にあるのかも知れませんね。

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