最近、次のような報道がありました。
【経済苦で高校中退、全国に5千人超 授業料無償化5年、支援に課題】
高校授業料無償化が始まった2010年度から5年間に、経済的理由で高校中退を余儀なくされた生徒が全国で5385人、九州で少なくとも754人に上ることが、西日本新聞のまとめで分かった。経済的理由による長期欠席者(年間30日以上)も14年度だけで、全国で2044人、九州で少なくとも約100人。経済苦で学びたくても学べない子が多数おり、授業料免除や現行の奨学給付金制度では、親の所得格差が子の教育格差を生む「貧困の連鎖」を断ち切れていないことが浮き彫りになった。(西日本新聞 配信)
親の所得格差が子の教育格差を
生んでいる状況が改善されていないようです。一方で諸外国に多額のODAが行われているのを見ると、政府の視線がどこを向いているのかが分かると共に、国民のための政策を行っているのか否かについての大きな疑問を提起していると言わざるをえません。
子供は将来の日本を背負う存在故に、教育は国家の根本とも言われる中で、経済苦で高校中退者が5,000人を超えたことは、今後の日本の衰退を大いに予感させるものではないでしょうか。
通常ならこのような事態は
政府の非として国民に受け取られ、その非は選挙によって是正されて然るべきですが、どうも選挙になるとこのような視点が選挙民から抜け落ちてしまうようで、結果として国民が容認しているかのように見えることは大変残念なことだと思います。
ある意味では高校中退という問題は氷山の一角で、やがては専門学校や大学などへの進学率の低下やそれら学校の中退という事態をもたらし、結果として教育全体に関わる大きな問題に発展しかねない一つの兆候ととらえることもできると思います。
教育における問題のつけは
数十年後に現れるもので、それを思えばできるだけ早急な対策を講じる必要があると思います。
教育格差が新たな経済格差をもたらすという格差の連鎖が広がる前に、是非有効な手だてが講じられることを心から願ってやみません。