『東京都足立区内にある病院の医師は「薬剤部にアビガンを入手しろと依頼したら、『流通ルートがないので無理』と言われた」という。 』との報道がありました。 |
掲載日付:2020年4月27日
新型コロナウイルスに効く薬はないのか――。いくつかの既存の薬物で患者への投与が試みられているが、中でも大きな期待を集めているのが新型インフルエンザ治療薬「アビガン」だ。安倍晋三首相も記者会見でその有効性に触れ、政府として備蓄や増産を推進、海外数十カ国への供与も決まった。しかし、国内では、新型コロナウイルスへの有効性と患者の安全性を確かめる治験が完了しておらず、希望する全ての患者が投与される状況ではない。一部の学者や医師は「使用を拡大すべきだ」と声を上げるが、どのようにしたら今の日本で使えるのか。医療関係者に話を聞くと、いくつもの課題と、その背景が見えてきた。
アビガンは富士フイルム富山化学(東京都)と白木公康・千里金蘭大副学長が開発した新型インフルエンザの治療薬。2014年3月に国内での製造販売が承認された。
インフルエンザウイルスは、遺伝情報をDNA(デオキシリボ核酸)ではなくRNA(リボ核酸)の形で持つRNAウイルスと呼ばれる。細胞内に侵入したウイルスは、RNAをコピーして増殖する。アビガンはRNAの増殖に必要な「部品」に似た構造をしており、部品と間違えてアビガンが取り込まれると、RNAのコピーができなくなり増殖が止まる。
新型コロナウイルスもRNAウイルスなので、同様の作用が期待されている。中国では臨床研究が深圳市や武漢市などで実施され、有効性が確認されている。このうち深圳市の病院で80人の患者を対象に行われた試験では、アビガンを投与しなかった人たちは62%の改善にとどまったが、投与したグループは91%だった。
そもそもアビガンは、新型インフルエンザの治療薬であり、国内では新型コロナウイルスへの使用は医療保険の適用外だ。保険適用されるには治験で有効性と安全性が確認されなければならない。富士フイルムは3月31日から治験を始め、6月末に終了する予定。その後、申請や承認の手続きを経て初めて広く使えるようになるが、実際に一般で使用が始まる時期は「数カ月後」から「1、2年先」まで諸説ある。
複数の患者にアビガンを投与した西日本の感染症指定医療機関の医師は「インフルエンザに対するインフルエンザ治療薬ほどの効果は得られなかった」と前置きしつつ、「新型コロナで重症になりそうな肺炎の場合、発熱、せきや呼吸困難が徐々に改善する患者が3分の2程度いた」と効果を実感している。
では、今の日本でどうすればアビガンを使えるのか。平時に流通しているものではないため、薬の価格が決まっておらず、流通ルートも確立されていない。そのため、医療保険を使わない「自由診療」で使おうとしても、一般の医療機関では入手することは不可能だ。東京都足立区内にある病院の医師は「薬剤部にアビガンを入手しろと依頼したら、『流通ルートがないので無理』と言われた」という。
【毎日新聞 配信】
この
アビガンの効果も副作用もかなりの程度広く(特に医療関係者には)浸透しているものと思われますが、なぜかまだ「自由診療」で使おうとしても使えないとのことです。
アビガンについての報道には次のようなものも見られました。
『▼新型コロナウイルス感染症に対するアビガンの効果が、外国での治療例も含めて明らかになってきた。日本企業と大学が新型インフルのために開発した薬だ。ところが後発薬(ジェネリック)を中国がどんどん作って、医療支援として外国に提供し始めた▼何ともトンビに油揚げをさらわれたような気分だ。もっとも、特許関係の契約が切れ、後発薬が違法なわけではない。せめてこの薬が日本の創薬であることを世界に向かって強調したい。』
詳しくはこちらを参照方。↓
掲載日付:2020年5月6日
薬には
副作用も多く、慎重な運用が必要なことは言うまでもありませんが、今は有効な治療薬がない状況なので、限定的な形でも構わないので「自由診療」で早急に使えるようにすべきだと思います。
他の報道では『安倍晋三首相は5日、イランのロウハニ大統領と電話で会談し、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて緊密に連携することを確認した。首相は、治療薬の有力候補とされる国産の新型インフルエンザ薬「アビガン」の無償供与などイランへの支援について説明。ロウハニ師は、日本の支援に対し「深甚なる謝意」を表明した。』とのことで、その支援を約束したアビガンが日本の「自由診療」で使えないとするならば、はなはだ「矛盾した行為」と言えます。
レムデシビルは
「厚労省により医薬品医療機器法に基づく「特例承認」が適用」ということですが、アビガンについても何らかの「特例承認」という形をとって承認すべきだと思います。
たとえ副作用があったとしても注意して使うことで、軽症者が重篤にならずに済み、それだけ死亡者を救えるとしたら、それに匹敵するためらう理由などないと思います。
中国がアビガンの後発薬(ジェネリック)をどんどん作って多くの国に医療支援を展開しているようですが、それによって多くの人が救われているとしたら、我が国の「優柔不断」な施策は正に世界の笑いものとなるでしょう。
我が国では
長年一向に「デフレからの脱却」ができませんでしたが、今の政府を見ていると「さもありなん」と思わざるを得ない人も少なくはないのではないでしょうか。
「アベノミクス」だか何だか意味の分からない施策だけが喧伝され、思い切った施策が打たれることもなく、さらには消費が冷え込んでいる中での消費税増税が決められましたが、全ては「優柔不断」の証明ということに尽きるような気がします。
今、
新型コロナウィルスへの「後出し」で且つ「中途半端」な対応策により、多くの中小零細企業(店舗)が倒産しかかっていますが、国民全員に給付される10万円をその方々のために使えば、わずかでも元気づけてあげられるかも知れません。
正に「為すべきことを為せ」の心境で互いに助け合うしかないようです。
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