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角膜内皮が傷つき視力が低下する「水疱性角膜症」の患者の目に、他人の角膜内皮細胞を注入して再生させる治療の臨床研究について、京都府立医大の木下茂教授らの研究チームは、11人の患者で安全性と有効性を確認したと発表したそうです。

『水疱性角膜症 他人の角膜内皮細胞注入 臨床で有効性確認』

https://mainichi.jp/articles/20180315/k00/00m/040/160000c
⇒毎日新聞の記事へ 
 
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角膜内皮が傷つき視力が低下する「水疱(すいほう)性角膜症」の患者の目に、他人の角膜内皮細胞を注入して再生させる治療の臨床研究について、京都府立医大の木下茂教授らの研究チームは、11人の患者で安全性と有効性を確認したと発表した。さらに臨床研究を続け、約3年後の薬事承認を目指す。論文が15日、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。

水疱性角膜症は、外傷や病気などにより角膜が濁る病気で、国内に約1万人の患者がいるとされる。角膜移植が唯一の治療法だが、これまで提供者の少なさや見え方の不安定さなどが課題だった。

一方、チームはシャーレで角膜内皮細胞を培養して増やす技術を開発。この細胞を患者の角膜の内側に注射する臨床研究を2013年12月から実施してきた。この結果、2年の経過観察で49~80歳の患者11人(男性5人、女性6人)について、視力の向上を確認し、感染症や拒絶反応なども起こらなかったという。視力は、手術前の0.03が1.0になった人もいた。

【毎日新聞 配信】

どんな病気も障害も

発症した人にとっては大きな痛手になりますが、とりわけ視力を失うことほど大きな痛手を被ることはありません。

その意味では、今回の「他人の角膜内皮細胞を培養して注入し再生させる治療法の安全性と有効性が確認された」という報道は、当該患者さんにとっては大変希望の持てる報道であると共に、今後発症を心配される患者さんにとっても、現在異常のない一般の人にとっても、大変安心感につながる報道だと思います。

角膜とは

眼球の外壁の前部にある透明な膜(円形で皿状)のことで、視覚情報(光)を目の中へ入れてあげることが角膜の働きとされています。

外から入ってきた情報は、角膜で1回屈曲し、さらにもう一度水晶体で屈曲して、網膜の上、網膜の中心部分の黄斑部という所で結像する仕組みになっているとのことです。

角膜の

最内層を被覆する一層の角膜内皮細胞層は、角膜組織の含水率を一定に保ち、角膜の透明性を維持するために必須の細胞で、ヒトやサルなどの霊長類では、「生体内で角膜内皮細胞が増殖することはない」というのが通常の見解のようです。

そのため現在、水疱性角膜症に対する唯一の治療法は、ドナー角膜を用いた角膜移植術であり、水疱性角膜症は角膜移植患者の60%以上を占めるとされています。

日本をはじめ

多くの国や地域では、ドナー角膜の不足のために角膜移植を受けられない患者さんもおり、また角膜移植を受けられたとしてのその後に、ドナーの角膜内皮細胞が継続的に減少することが報告されているそうです。

特に周辺部の角膜内皮細胞も障害されている水疱性角膜症患者では角膜移植後の角膜内皮細胞密度減少が早く、長期予後が不良とのことです。

従って

水疱性角膜症に対する新規治療法として、生体外で培養したヒト角膜内皮細胞を移植するという斬新で画期的な再生医学研究が行われてきていましたが、その成果が実ったものと思われます。

今後のさらなる研究成果の進展に期待したいと思います。

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