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外科医の中で主流となっている「傷口は流水で洗い流す。消毒液は使わない」という応急処置法が、教育現場でも浸透してきたそうです。

『保健室 消える消毒液 外科医「傷の治り悪くする」 流水で洗う処置 主流に 不安解消に「魔法の水」も』

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学校で転んでけがをしたら、保健室で消毒をしてもらう-。そんな光景がなくなりつつある。外科医の中で主流となっている「傷口は流水で洗い流す。消毒液は使わない」という応急処置法が、教育現場でも浸透してきたからだ。

秋本病院(福岡市)の秋本亮一院長によると、消毒は傷の治りを良くする上皮細胞まで破壊してしまう。そのため、外科医の間では傷は消毒をしないことが推奨されている。院長は「けがをしたら消毒ではなく、傷の中に入った異物を除去するため、無菌である水道水で洗浄することが大切だ」と強調する。

林外科医院(福岡県宗像市)の林裕章理事長は10年前から傷口の治療に消毒液は使っていない。「消毒は傷の治りを悪くするということが分かってきて、使われなくなってきている」(林理事長)

【西日本新聞 配信】

傷が治る過程について

調べたところ、まず血小板の凝集により血が止まり、次にマクロファージが死んだ組織をきれいにし、その後、繊維芽細胞よる修復が始まる、という手順で治癒に至るようです。

更に、皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっており、表皮の傷は元通りに治り(再生)、真皮の半ば以上まで達した傷は、跡が残ってしまう(修復)とのことです。

但し、真皮の中に達した深い傷でも、「毛穴」が残っていれば、「毛穴」の中には表皮の細胞が入っているので、その表皮の細胞が真皮の上に出てきて正常皮膚を増殖できるそうです。

このように

人に予め備わっている細胞によって皮膚の再生・修復が行われていますが、傷に悪影響を及ぼす悪い菌を除去しようと消毒液をつけることによって、同時にこの再生・修復をしている細胞にもダメージが及び、それだけ傷の治りが遅くなるとのことです。

水道水には残留塩素が含まれており、それによる殺菌効果があるため、水道水で洗えば充分というのが最近の通説になっているようです。

水道水で洗う場合は、消毒液をつけて長い時間そのままにしておくのと違い、極めて短時間のため傷を治す細胞にダメージを及ぼす心配はないものと思われます。

消毒液を使わない

ということの他に「ガーゼで覆わない」ということも、最近の治療方法の特徴とされています。

これは傷口から出てくる透明の滲出液の中には細胞培養液が含まれており、「ガーゼで覆う」ことで、この滲出液がガーゼに吸収されて治りが遅くなることを防ぐと共に、傷口が乾燥して痛みを出たり、かさぶたができたりするのを防ぐ効果もあるとのことです。

適切な創傷被覆材で

傷を密閉して傷口を湿潤状態に保つことが大切で、このような治療法は「湿潤療法」と呼ばれているようです。

過去の経験によって得られた知識も大切ですが、新しい情報や知識を得ることも、それに劣らず大切ということなのでしょうね。

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