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2007年にスウェーデンに、終末期医療の視察に行かれて、意識が変わったそうです。

『欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか』

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以下の記事は、ヨミドクター編集長が宮本顕二・礼子夫妻に聞いた話の中の一部です。

【略歴】
◆宮本顕二(みやもと・けんじ)
北海道中央労災病院長、北海道大名誉教授。1976年、北海道大卒。日本呼吸ケア・リハビリテーション学会理事長。専門は、呼吸器内科、リハビリテーション科。「高齢者の終末期医療を考える会」事務局。

◆宮本礼子(みやもと・れいこ)
桜台明日佳病院認知症総合支援センター長。1979年、旭川医大卒。2012年に「高齢者の終末期医療を考える会」を札幌で立ち上げ、代表として活動。

(略)

――2007年にスウェーデンに終末期医療の視察に行かれて、先生方の意識も変わられたのですね。何が一番印象的でしたか。

礼子「スウェーデンが初めての海外視察だったのですが、食べなくなった高齢者に点滴も経管栄養もしないで、食べるだけ、飲めるだけで看取るということが衝撃的でしたね。脱水、低栄養になっても患者は苦しまない。かえって楽に死ねるとわかり、夫と私の常識はひっくり返ったのです。そして施設入所者は、住んでいるところで看取られるということも、日本の常識とは違うので驚きました。視察先の医師も、自分の父親が肺がんで亡くなった時に、亡くなる数日前まで普通に話をしていて、食べるだけ、飲めるだけで穏やかに逝ったと言っていました」

顕二「日本では、高齢で飲み込む力が衰えた人は、口内の細菌や食べ物が肺に入って起きる『誤嚥ごえん性肺炎』を繰り返して亡くなることが多いです。誤嚥性肺炎の論文もほとんど日本人の研究者が書いているのです。当時も今も誤嚥性肺炎対策が高齢者医療の重要なテーマです。この誤嚥性肺炎について、スウェーデンで尋ねたら、『何それ?』ときょとんとされたのが衝撃でした。スウェーデンでは、誤嚥性肺炎を繰り返すような悪い状態になる前に亡くなっているので、あまり問題にならないのです。延命処置で病気を作って、かえって患者を苦しめている日本の現状を強く認識しました」

(略)

【読売新聞 配信(ヨミドクター)】

1998年(平成10年)の厚生省調査によりますと、

日本の平均寿命は、男性77.10歳、女性83.99歳と世界第一位を誇り、1975年(昭和50年)代半ばにスウェーデンを抜き世界一の長寿国となって20年あまり、21世紀を迎えた今も日本はその座に留まっているそうです。

そんな日本ですが、高齢者の一つの姿として「寝たきり老人」という姿を思い浮かべる人も、少なくはないのではないでしょうか。そのような中で、「欧米には寝たきり老人がいない」という、非常に衝撃的な記事に出会いました。

どうやら、欧米と日本には、

終末期医療の考え方に違いがあるようで、スウェーデンでの終末期医療を視察したときの印象を聞かれた礼子さんが、『脱水、低栄養になっても患者は苦しまない。かえって楽に死ねるとわかり、夫と私の常識はひっくり返ったのです。』と答えていますが、この言葉には強い説得力が感じられます。

つまり

『食べなくなった高齢者に点滴も経管栄養もしないで、食べるだけ、飲めるだけで看取る』ことの方が、より自然なことだということではないでしょうか。その方が、安らかな死を迎えるにふさわしい方法であり、その姿こそ、いわゆる大往生の姿そのもののような気がします。

死を前にした時、延命処置を望む気持ちが湧き起こるのは自然な感情だと思いますが、その行為が却って患者を苦しめることになりはしないかと、自問自答することも大事なことなのかも知れませんね。

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