共同通信社の衆院選序盤の電話世論調査で、与党が300議席超をうかがう情勢となったことを受け、政権は緩みを警戒しているそうです。 |
『衆院選序盤調査 与党、緩み警戒 自民「議席必ず減らす」』
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共同通信社の衆院選序盤の電話世論調査で、与党が300議席超をうかがう情勢となったことを受け、政権は緩みを警戒している。野党側は危機感を強め、巻き返しを図っている。
首相が衆院を解散した当初は、加計学園問題などの影響を懸念し、与党内にも首相が判断を誤ったのではないかとみる向きもあった。小池百合子東京都知事が希望の党を結成すると危機感はさらに高まった。
にもかかわらず与党が優位な情勢になっているのは、ひとえに新党側の失態が原因だ。小池氏が民進党出身議員を選別したことで新党は二つになり、小選挙区での「野党一本化」は崩壊した。自民党関係者は「野党が食い合う状態が大幅な議席減を食い止めている」と話す。与党の堅調は敵失が主因で、政権側に得点があったわけではない。自民党内でも「こんなに勝てるとは思わない。議席は必ず減らす」(党幹部)との見方が支配的で、勝敗ラインが焦点となっている。
「この選挙厳しいです! 準備もままならないところで本番になった」。希望の党の小池百合子代表は11日、栃木県那須塩原市の街頭演説で訴えた。
転機は小池氏の「排除」発言だった。民進党出身議員を選別したことで、野党側が混乱している印象を与えた。公認候補の一人は「あれがターニングポイントになって雰囲気が変わった」と話す。
【毎日新聞 配信】
この報道に接して抱いた気持ちは、「またか」という、なんとも言えない失望感でした。
森友・加計問題における
行政の横暴や、安保法制における立法の暴走、原発・再生エネルギーにおける優柔不断さ、消費税増税における付け焼き刃的言い訳、解散権の乱用など、さまざまな自民党(安倍政権)の汚点が、「自公大勝」という結果によりウヤムヤにされる日が近づいています。
せっかく「寛容な改革の精神に燃えた保守」として起ち上げた「希望の党」ですが、「様々なしがらみや、なかなか進まない改革」にメスを入れるという熱い思いを実現することなく、第二党あるいは第三党に甘んじて、この先数年間を無駄に費やすことになるのでしょうか。
報道には
『「排除」発言により雰囲気が変わった』という話が、掲載されていますが、「保守=現実的」という線引きなしに合流して選挙に勝ったとしても、その後の分裂は免れないので、それを思えば当然の必要な行為だったと思います。
保守より変革という言葉の方が聞こえが良いと思いますが、変革ばかりでは現実的とはいえません。
例えば、
安保法制における集団的自衛権についても、米軍が攻撃を受けた時には、「どこにでもでかけて、共に戦うべき」とまでは思わないが、「北朝鮮からの攻撃には、共に戦う姿勢を保って抑止力にしたい」というのが現実的な考え方だといえますし、憲法改正についても、「軍隊を持ち挑発には必要に応じて軍事力を行使する」ということまでは望まないが、「少なくとも自衛隊は防衛のための軍隊である」ということは規定すべきというのが、同様に、現実的な考え方といえるのではないでしょうか。
その点、いわゆるリベラル(変革)派の主張は、純粋であり極端とも思えるので、たとえ政権をとっても混乱を招くに違いありません。
仮に今、
希望の党が失速しているとしたら、その原因は立憲民主党の設立にあると思います。
立憲民主党はこれまでの社会党に似た政党だと思いますが、社会党は二大政党の一端を担えなかった政党であったことを思えば、時代に逆行しているともいえます。
立憲民主党が一定程度の影響力を持てば持つほど、希望の党の力が弱まり、その結果、自公政権に強い姿勢で臨めなくなります。
変革を目指す
リベラル派は、多くの点で良い政策を生み出しうる人達だと思いますが、いかんせん、あまりにも潔癖過ぎるきらいがあると思います。
今回は、最終的な理想を棚上げしても、希望の党としてまとまるべきだったのではないでしょうか。最終的にはここを目指すが、現段階ではここで良しとする、ということでも自説を曲げることにはならないと思います。
まだ
選挙戦は始まったばかりです。自民党は大規模(経営者・資本家)を代弁し、希望の党は中産階級を代弁しているという見方もあります。
できれば希望の党が政権を担える政党として躍進することを望みますが、従来の自公体制の圧勝という結果に終わった場合は、自公による専横政治が続くということを、肝に銘じて投票に行っていただきたいと思います。