中国が南シナ海で領有権を争っている国々の石油・ガス探査への嫌がらせを強めているそうです。 |
中国は、南シナ海で領有権を争っている国々の石油・ガス探査への嫌がらせを強めている。5月以降、中国の海警局の艦船が、ベトナム、マレーシアのEEZ内での掘削活動に威圧的な妨害を加えている。さらに、7月以降、中国の海洋調査船がベトナムのEEZ内で調査を続けている。調査船は、海警の艦船、準軍事組織「人民武装海上民兵」が乗り組む漁船に護衛されているという。ベトナム側は沿岸警備艇を派遣し、衝突のリスクが高まっている。
この問題について米国は、8月22日に国務省が、8月26日には国防総省が強い懸念を表明する声明を相次いで発表している。このうち、国防総省の緊急声明の要旨は次の通り。
国防総省は、中国によるインド太平洋におけるルールに基づく国際社会を破壊する努力が続いていることを強く懸念している。最近、中国はベトナムの石油・ガス探査活動への威圧的干渉を再開した。これは、シャングリラ会議での魏鳳和・中国国防部長の「平和的な発展の道を堅持する」との発言と全く矛盾する。中国の行動は、『受け入れられている国際的ルールと規範に沿ってすべての国が大小を問わず主権を保障され、威圧されず経済的成長を追求し得るとする自由で開かれたインド太平洋地域』という米国のビジョンとは対照的である。
中国が「嫌がらせ戦術」を続けることで、近隣諸国の信頼も国際社会の尊敬も勝ち得ることはないだろう。ASEANの領有権主張国を威圧する行動、攻撃的武器の配備、海洋についての違法な主張の執行は、中国の信頼性への深刻な疑いを提起している。米国は、同盟国、パートナー国による、インド太平洋全体における航行の自由と経済的機会を確かなものとする努力を支援し続ける。
【WEDGE Infinity 配信】
報道の中で
「ベトナムのEEZ内で」という文言がでてきますが、この「EEZ」という言葉の意味を調べてみました。
ウィキペディアによりますと、『排他的経済水域、英: Exclusive Economic Zone; EEZ、仏: Zone économique exclusive, ZEE、独: Ausschließliche Wirtschaftszone, AWZ)とは、海洋法に関する国際連合条約に基づいて設定される、天然資源及び自然エネルギーに関する「主権的権利」、並びに人工島・施設の設置、環境保護・保全、海洋科学調査に関する「管轄権」が及ぶ水域のことを指す。』とのことです。
つまり
『ベトナムのEEZ内で』ということは、『ベトナムの天然資源及び自然エネルギーに関する「主権的権利」、並びに人工島・施設の設置、環境保護・保全、海洋科学調査に関する「管轄権」が及ぶ水域内で』ということで、そこで中国の海洋調査船が調査を続けているということになります。
たとえば日本が中国のEEZ内で調査するようなことがあれば、中国の警察や軍が出動して実力で阻止するでしょうし、また日本のマスコミや国民により国(政府)への非難の声があがるものと思われます。
これと
同じようなこと(中国によるベトナムのEEZ内での調査活動)が行われているとのことですが、中国の調査船は海警の艦船、準軍事組織「人民武装海上民兵」が乗り組む漁船に護衛されているということで、これに対しベトナムが沿岸警備艇を派遣し、衝突のリスクが高まっているとのことです。
つまり中国は「ベトナムのEEZ内」で、海警の艦船や準軍事組織「人民武装海上民兵」が乗り組む漁船に護衛されながら調査しているということで、ベトナムが大きな軍事力を持っていればすぐにでも排除すべき案件だと思われますし、本来なら中国国民やマスコミが国(政府)への非難の声をあげてもおかしくない行為だと思われます。
このように
国家による不正が行われ、それに対して国民から非難されることもないというのは、正に非民主主義国だからこそで、言い換えれば、一部の国民によって選ばれた人達が、多くの国民の意思を無視して、勝手な行動をとれるのが非民主主義国の特徴とも言えます。
米国は自国とは遠いベトナムという国への不正行為に対しても、強い懸念を表明するなど、やはり頼りになる国だと思います。
非民主主義国とは一部の権力者が君臨する国で、その意味では、どんな不条理なことでも押し通すことのできる国とも言えますが、このような国をなくす意味でも、米国を中心とした民主主義国だけの(新)国際連合を早急に設立すべきだと思います。
まとまって
各国の力を結集しなければ米国の負担ばかりが大きくなり、非民主主義国の不正を咎めることが次第に難しくなり、つまりは混乱の世の中になることが懸念されます。
非民主主義国が経済活動により今以上に強大化する前に、何らかの対応を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。