182日間にわたり与野党が攻防を繰り広げた通常国会が7月22日に閉会しました。森友学園問題での財務省の公文書改ざんをはじめ、政府に数々の問題・疑惑が発覚する異例ずくめの国会でしたが、終わってみれば「安倍1強」の状況が崩れることはなかったようです。 |
『なぜ「安倍1強」を崩せなかった?「野党内抗争」立憲&国民の“こじらせ国会”』
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182日間にわたり与野党が攻防を繰り広げた通常国会が7月22日に閉会した。森友学園問題での財務省の公文書改ざんをはじめ、政府に数々の問題・疑惑が発覚する異例ずくめの国会だったが、終わってみれば「安倍1強」の状況が崩れることはなかった。
「弱すぎた野党」 成果で見れば野党の”完敗”
野党にとっての法案審議における成果は、厚労省のデータの不備を追及したことにより、働き方改革法から「裁量労働制の対象拡大」について撤回させたことや、一部の法案の採決の際に運用を制限する付帯決議を付けることができたくらいだ。
また、財務省で公文書改ざんや事務次官によるセクハラ問題まで明らかになったにも関わらず、麻生財務大臣を辞任に追い込むことができず、通常国会における閣僚の交代は1人もなかった。
与野党攻防という観点から法案の成立率や直近の内閣支持率などを冷静に見た時に、結果として野党は”完敗”だったと言わざるを得ないのではないのだろうか。
野党「弱さ」の原因 「乱立」と「足並みの乱れ」
野党の「弱さ」の原因は、単に議席数が少ないということだけではない。ここでは「乱立」と「足並みの乱れ」という2つのキーワードから読み解きたい。
衆議院に現在の小選挙区・比例代表並立制が導入されたのは1994年のこと、「政権交代可能な2大政党制」を念頭に置いてのものであった。
しかし、現在の野党の状況は「政権交代可能な2大政党」の一翼からは程遠い。政党要件を満たす党が6つもあるうえ、さらに無所属議員が衆参あわせて30人を超えている。
この「野党乱立」の影響が最も出たのが「党首討論」だ。この通常国会では2回開かれたが、45分間の質疑時間を各党で分配するため、最長でも20分に満たず、割り当ての3分を辞退した会派もあった。これでは議論が深まるはずもない。
【FNN PRIME 配信】
報道では
「野党の弱さとか成果のなさ」ということについて、主に論評されているようですが、野党の議員数が大幅に少ない(衆議院では与党の1/3程度)以上、当然の結果とも言えます。
野党は正しいことを言っていると思いますが、国民が政治に託す思いは「正しさ」もさる事ながら、むしろ現実生活における適切な対応という意味での「実現性」に重きがおかれているのではないでしょうか。
つまり
「官僚の行為はけしからん」と思いつつも、そんなことより「北朝鮮や中国の挑発にどう対処するのか」、「非正規雇用に苦しんでいる人達が増えているがこれでいいのか」、「少子化の問題がやがて経済の低迷を加速しそうだが、どうやってそれを緩和するのか」など、さまざまな現実的課題への関心の方がはるかに高いのだと思います。
極端に言えば、国民の多くは理想論を振り回して「悪を正す」よりは、日本の将来を見据えて「有効な布石を打つ」ことを望んていると思われますが、仮にそう考えるならば、官僚の不正追求に延々と時間を費やすことによって支持が得られると考えるのは幻想に過ぎません。
野党の在り方については
様々な意見があるものと推測できますが、やはり「今後の日本をどうするか」という観点から、それに見合った法案を次々に提出することだと思います。
仮に全て否決されても、マスコミを通じてその法案の必要性を訴えることにより、国民の理解が深まり、結果的に託してみたいという気持ちを強めるのではないでしょうか。
官僚などの不正については、
追求に時間をかけるよりは、今後はそれを防ぐための厳しい法案(強い調査権限のある特別委員会を設置するなど)を提出すれば良く、またこれまでの不本意な可決済み法案については「撤回法案リスト」を作って、議員数が増えた暁にはそれらに基づき撤廃することを宣言すれば良いと思います。
とにかく数の力で負けることが分かっている訳ですから、それらの問題については追求などといった無駄な時間をかけずに、再発防止の仕組みの設置や成すべき課題の明確化など、必要な処置を取ることで済まし、理想論の展開よりは、もっぱら「今後日本にとってどうすべきか」の法案の提出を次々と行い、実現性を追求する姿勢を鮮明にして欲しいを思います。
その結果として、今の自民党に代わる、日本の舵取りが可能な責任ある第二の政党が生まれるものと確信していますが、いかがでしょうか。