落語や漫才などをがん患者に見てもらったところ、免疫力を高めるたんぱく質を作る能力が向上したと、大阪国際がんセンター(大阪市)が29日、発表したそうです。 |
『お笑い、がんに効果?落語・漫才見て免疫力向上』
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落語や漫才などをがん患者に見てもらったところ、免疫力を高めるたんぱく質を作る能力が向上したと、大阪国際がんセンター(大阪市)が29日、発表した。
吉本興業(同)などと行った「笑い」に関する実証研究でわかったという。
実証研究は昨年5~8月、同センターの病院内に設けた舞台で、桂文枝さんやオール阪神・巨人さんらの落語や漫才を隔週で見る患者のグループ(27人)と、見ない患者のグループ(30人)に分けて血液検査などを実施。がんを攻撃する役割を持つ免疫細胞「ナチュラルキラー(NK)細胞」の変化などを調べた。
その結果、落語などを見たグループは2か月で、NK細胞を活性化するたんぱく質を作る能力が平均で1・3倍上がった。NK細胞自体も、増加する傾向があった。
【YOMIURI ONLINE 配信】
「笑い」が
がんを抑制することは以前から言われていましたが、今回改めてその効果が確認できたようです。
NK細胞を活性化させるタンパク質を作る能力が向上すると共に、NK細胞自体も増加する傾向が見られたということで、NK細胞によるがんへの攻撃力もより強くなり、それだけ効果的なことが分かります。
免疫細胞は
大きく単球系、顆粒球系、リンパ球系に分けられますが、一般的にはそれらをまとめて白血球と呼んでいるようです。
単球系の免疫細胞には樹上細胞、マクロファージがあり、更に顆粒球系の免疫細胞には好中球、好塩基球、好酸球があるとのことです。
そしてリンパ球系にはNK細胞があり、他にもT細胞、B細胞、NKT細胞があると言われています。
今回
NK細胞という言葉がでてきましたので、リンパ球系の各細胞の働きについて少し調べてみました。
まずT細胞には、キラーT細胞(CTL)やヘルパーT細胞などがあるそうで、キラーT細胞には病原体や異常な細胞を見分けて攻撃する働きがあり、ヘルパーT細胞はB細胞に抗体を作る司令を出したり、キラーT細胞の活性を促す働きがあるそうです。
更にB細胞には、抗体の産生により細菌やウイルスなどの病原体の活動を止める働きがあるそうです。
今回の報道
にも見られたNK細胞には、常に体の中を巡回して、がん細胞やウイルスに感染した細胞などへの初期攻撃を行う働きがあると言われています。
最後にNKT細胞には、NK細胞とT細胞の両方の性質が見られ、自然免疫と獲得免疫の橋渡しを行う働きがあるそうです。
キラーT細胞も
NK細胞もがん細胞やウイルス感染細胞への攻撃力があるとのことですが、T細胞は樹状細胞などからの攻撃命令を必要とするのに対し、NK細胞は常に体内をパトロールして単独で攻撃できるという違いがあるそうです。
その意味ではNK細胞が元気になり且つ増えることは、それだけ速やかに異常を起こした細胞への攻撃が行われ、除去されることになるものと思われます。
明るい気持ちでいると、
何となく元気になるような気がしていましたが、実際に細胞レベルで元気になっていたというのは驚きです。
病気はとかく気分を暗くしますが、前向きに、それこそ大いに笑って、明るい気持ちでいることが早期回復のために必要なことだということが、今回の報道で証明されたような、そんな気がします。
気力は細胞も元気にさせると信じ、楽しみを増やして明るい日々を送る、そんな生活を心がけるべきなのかも知れませんね。