クロマグロの完全養殖に成功した近畿大が、日本近海を回遊する太平洋クロマグロの生態を、人工衛星を使って宇宙から追跡しようという研究を進めているそうです。 |
『近畿大 次は「宇宙マグロ」 生態解明へ衛星打ち上げ』
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クロマグロの完全養殖に成功した近畿大(東大阪市)が、日本近海を回遊する太平洋クロマグロの生態を、人工衛星を使って宇宙から追跡しようという研究を進めている。
その第一歩となる実証実験用の超小型衛星を2019年度にも打ち上げる目標に向け、チームは18日からインターネットを通じた研究資金の募集を始めた。詳しい回遊ルートや産卵場所が分かれば、保護にもつながると期待される。
【毎日新聞 配信】
かなり前に
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と漁業情報サービスセンターが人工衛星「しずく」を活用してサンマやマグロの漁場を効率よく探す手法を開発したという報道がありましたが、これは人工衛星「しずく」の観測データ(地球の降水量や海の観測データ)をもとに、水温の分布を調べ、従来の経験値を参考に魚が集まりやすい場所を特定して漁船に伝えるというものでした。
人工衛星でどのようにマグロを識別するのか、大変興味深い報道でしたので、少し調べてみました。
現在、
水棲生物の調査方法として「データ記録タグ」と呼ばれる方法がありますが、このタグは生きている魚の腹部に入れたり、背骨にワイヤーで括り付けるなどしなければならないそうです。
しかしこの方法では傷のために死んでしまうこともあり、調査方法としては難があるということで、近畿大が新たに反射材を取り付ける方法を提唱しているそうです。
それは
『データ記録タグの代わりに反射材を水棲生物に取り付けて、それを人工衛星から照射したレーザーの反射光でもって水中の生物の動きを把握するという調査方法』と言われており、近畿大の理工学部と農学部の学生が共同で考案したものだそうです。
地上では野生の猿や鹿、熊、猪などの生態調査を行うためのシステムとして、『動物位置情報システム「ANIMAL MAP」』というものがあり、これはGPS首輪発信器を取り付けた野生動物の位置情報を机上から簡単に確認することができるそうです。
将来的には
海のマグロなどもこのようなシステムの元で、位置情報を机上から確認できるようになるのでしょうか。
これが調査目的なら良いのですが、漁業の一環として行われることになると乱獲などの問題が生じる可能性もありますので、慎重な対応が必要かも知れませんね。