何かを決断するにあたっては、いろいろな「迷い」を振り切る必要があります。
つまりいろいろな条件を付加して、できるだけ多くのケースに適応できる方法を選択したいという気持が、「迷い」を生むのだと思いますが、その背景には、「こうしたいと思う」と提案しても、いろいろな場合を指摘されて、なかなか賛同してもらえないという現実があるからだと思います。
しかし物事には全て二面性があります。
薬と同じように効能があれば副作用もあります。そのような中で多くのケースに適応できる万能薬を求めても無理な話で、結局は「迷うばかり」という状況に陥ることになります。
たとえば自転車の乗り方を、あれこれ細かい手順を示して、その通りにするように言ってもできるものではありません。足をつきながらでもバランスをとって、やがては足を離して乗れればそれで充分なのではないでしょうか。転ぶこともありますが、それも変化の一つと考える方が現実的です。
次のような偉人の言葉が残されています。
オッカム
単純な考え方ほど素早く真実に近づける。
カール・ユング
ある人に合う靴も、別の人には窮屈である。あらゆるケースに適用できる人生の秘訣などない。
山本周五郎
この人生には、無数の教訓がちりばめられている。しかし、どの一つをとってみても、万人にあてはまるものはない。
あれこれ細かい条件をつけて最良を目指そうとすると、却って非現実的な結論となり、つまりは「真実から遠ざかる」ことになって、失敗するのではないでしょうか。
たとえば経済を良くしたいなら「消費」を良くする。消費を良くしたいなら「所得」を倍増させる。このように単純に考えてみて結論を出し、それに対し多少の調整を施すことで、真実が見えてくるような気がします。
いろいろ考えてみて、結局は元の案に戻るということが良く有りますが、これも同じことなのかも知れません。