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島根大医学部(島根県出雲市)が、患者自身の骨を加工した「骨ねじ」を使って骨折部分を固定する新たな治療に取り組んでいるそうです。

『骨折 自分の骨で固定し治療 手術中ねじに加工 島根大』

https://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/040/209000c
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島根大医学部(島根県出雲市)が、患者自身の骨を加工した「骨ねじ」を使って骨折部分を固定する新たな治療に取り組んでいる。国内初の臨床応用として10年間で患者12人に手術し、8割を超す10人は術後の経過が良好という。研究グループは「骨ねじは異物反応がなく、金属ボルトのように再度の除去手術も必要なく、患者の負担も減らせる」としている。

研究グループの内尾祐司教授らが15日に成果を発表した。内尾教授らによると、骨折の固定手術を行う際、すねなどからピーナツ程度の大きさの骨片を採取。手術室に置いた加工機を使ってその場でねじに加工し、骨折を固定する。術後数カ月で周りの骨と同化し、採取した部分の骨も自然に修復されるという。

2006年に大学の倫理委員会の承認を得て臨床研究を開始。今年までに10代後半~60代の男女12人が手術を受けた。10人は骨の結合など経過が良好で、うち7人は術後1年以上経過した。一方、合併症による再手術が1例、退院後の採取部分の骨折が1例あった。研究グループは「手術の成功率は通常の治療と比べても遜色ない」としている。

【毎日新聞 配信】

一般的な骨折治療は

添え木やギプスなどでずれた骨を元の位置に戻して固定し、骨が自然に回復するのを待つそうです。

折れた骨の間に未熟な組織である仮骨ができ、そこに石灰成分が入り成熟して戻る仕組みとのことです。

その際、金属のプレートを手術で入れる手法などもあり、この場合は金属のピン、ワイヤー、スクリュー、プレート、ロッド(棒)などを用いて体内で骨を固定します。

このように

折れた骨をつなぐ手術は、通常、骨節合術といわれており、ピンやワイヤーなどに用いられる金属には、ステンレス、高強度金属、チタンというものがありますが、最近は感染に強く、MRIの撮影も可能なチタンの製品が増えているそうです。

これらの素材は、体内に入れたままでも問題はないとのことですが、日本では骨がつながったら再手術をしてインプラントを取り除く事例が増えているとのことです。

欧米の場合は

抜かないことが一般的とのことですが、それは抜く手術(抜釘手術)には保険が効かないということも関係しているようです。

抜釘手術を行う主な理由としては、「体内に異物が入っているので部位によっては違和感や痛みを感じることがある」、「感染の原因になることがある」、「インプラントの安全性は40年ほどしか保証されていない」といったようなことが考えられるそうです。

骨節合術により骨が元に戻ればよいのですが、折れた骨がくっつかない場合もあり、この場合は「偽関節」と診断されるそうです。

偽関節になりやすい骨の折れ方としては、

皮膚から骨が飛び出す開放骨折が知られていますが、これは細菌感染が起きやすく、回復に重要な仮骨ができにくくなるためといわれています。

このように骨折の場合の治療においても、いろいろと面倒な問題が含まれていることが分かりますが、今回報道の『患者自身の骨を加工した「骨ねじ」を用いた治療方法』は、多くの問題を解決してくれる大変価値の高い治療方法といえるのかも知れませんね。

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