総務省消防庁から委託された研究班が、持病や老衰で終末期にある介護施設などの高齢入所者が心肺停止した場合の対応手順案をまとめたそうです。 |
『高齢者の救命 本人望めば蘇生中止 消防庁委託研究班提言』
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増加する高齢者の救急搬送を受け、総務省消防庁から委託された研究班が、持病や老衰で終末期にある介護施設などの高齢入所者が心肺停止した場合の対応手順案をまとめた。本人の事前意思と医師の指示がセットで確認できた場合は蘇生処置の中止を認めており、研究班は高齢者の蘇生処置を巡る法整備をにらんだ議論の高まりを期待している。
近年は介護施設からの救急搬送依頼が増えているが、救急隊員が駆けつけると、家族らから「本人は蘇生を望んでいない」と伝えられるなど現場対応が課題となっている。
手順案では、持病や老衰による心肺停止が前提。救急車の要請、救急搬送などの段階に分け、入所者の蘇生を希望しない意思が分かる事前指示書と、担当医の蘇生中止指示を合わせて確認できた段階で救急隊員は心肺蘇生を中止できるとした。
担当医は直近の入所者の状態などから医学的見地で蘇生中止を判断。施設に常駐していないため、中止指示は職員らが電話などで確認する。
また、医師の到着が心肺停止の数時間から半日後であっても「到着まで蘇生は行わず、救急車も呼ばずに待つように」などの指示が事前に医師から施設に出ている場合は指示に従ってもいいと提言。指示の効力は「心肺停止前の2、3日以内」との考えを示した。
【毎日新聞 配信】
持病や老衰で
終末期にある高齢者の蘇生措置についての対応手順案がまとめられたそうですが、大変好ましいことだと思います。
結局、「蘇生措置の結果どうなるか」ということが、このテーマの大きな問題点になると思います。
結果として
健康的な生活を送れる可能性が高い場合は、勿論、蘇生措置を施していただくべきだと思いますが、結果として意識が戻らないけれども呼吸が再開された状態(人工呼吸器による昏睡状態)や、半身麻痺などの麻痺の状態での寝たきり状態が続くことが予測できる場合など、結果的に寝たきりのまま何年も続くような場合は、蘇生措置をしない方が患者のために良いことだと思います。
いわゆる「大往生」という考え方がありますが、回復の見込みが極めて低い場合は、安らかに逝かせてやる方が本人や家族の苦しみを軽減することになると思います。
どんな形であれ、
回復の見込みのない状態での蘇生というのは、これ以上の苦しみはないといっても過言ではないと思います。
ひと口に「回復の見込みがない」という判断自体が、極めて大変なことだということは容易に想像できるところですが、是非何らかの手順や基準を設けて、諦めずに法制化まで押し進めていただきたいと思います。
他にも胃ろう患者の問題、がん末期患者の問題も、患者にとっては大変な精神的苦痛を伴うものだと思いますので、できれば安楽死の法制化も視野に入れて、この分野におけるより一層の進展が図られることを期待したいと思います。
「明日は我が身」です。
自分や周りの多くの人達にとって、「大往生」といえる終末を迎えられることは、大いなる希望ともいえます。
関係者の英断により是非、「最後まで素晴らしい人生だった」と思えるような社会的制度が作られ、定着することを切に願いながら、今後の推移を注視していきたいと思います。