人間の嗅覚はネズミやイヌ並みに鋭いとする研究結果が発表されました。
『人間の嗅覚、本当はイヌ並み? 俗説覆す研究報告』
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人間の嗅覚はネズミやイヌ並みに鋭いとする研究結果を、米国の研究者が11日発表した。100年ほど前から述べられてきた正反対の「俗説」を覆す内容だ。
米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文によると、米ラトガース大学(Rutgers University)の神経科学者ジョン・マクガン(John McGann)氏は、人間の嗅覚が劣っているという、同氏が言うところの「誤解」を導いた過去の研究や歴史的文献を見直した。
人間は約1万種類のにおいを嗅ぎ分けられると長年考えられてきた。だが、その数は実際には1兆種類近いとマクガン氏は言う。
(略)
マクガン氏によると、嗅覚情報を処理する脳組織の嗅球(きゅうきゅう)が脳全体の容積に占める比率をみると、人間のわずか0.01%に対し、ネズミでは2%に及ぶ。
だが、人間の嗅球は実サイズがかなり大きく、成人で約60ミリに達することもあり、他の哺乳類の嗅球と比べてほぼ同数の神経細胞を持っている。
嗅覚に関する人間とイヌとネズミの間の違いは、特定のにおいに対する感受性の差に帰する可能性がある。
【AFP=時事 配信(ヤフーニュース)】
犬の臭覚といえば、
特定の物質に限って言えば、人間の百万倍や一億倍の鋭さを持つというのがこれまでの通説ですが、これとは異なる斬新な見解が発表されたようです。
そもそも人間の嗅覚が貧弱だとする見解は、人間の脳の中で嗅覚野の容積が他の部位に比べて小さいことにその根拠があったようですが、ただ割合は小さくとも、実サイズにおいては他の哺乳類とほぼ同数の神経細胞を持っているということを考えれば、決して貧弱とはいえないという説にもうなずけます。
ただ
臭いを嗅ぎ分けようという感受性(意思?)の強さが、その能力に影響を与えるとの指摘があり、また一般的に人間はそれ程臭いを嗅ぎ分けようという強い意思を持っているとは思えないので、その臭覚が驚異的な成果をもたらすまでには至らなかったという結果にもうなずけます。
やはり意思に関わらず嗅ぎ分けようとする犬には、所詮かなわないということのようですが、仮に臭いを嗅ぎ分けたいという強い意思を持った人が現れたらどうなるかについては、大変興味深いものがあります。
それにしても、いわゆる通説に疑問を持つことで、新たな見解がもたらされるということは、それだけ認識を深めることになりますので、今後もそのような試みが増えることを期待したいと思います。