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2019年10月の消費増税を前に、政府・与党内で複数の増税対策が検討されているそうです。

『キャッシュレス、商品券、セール…「消費税還元」にみんな大混乱』

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2019年10月の消費増税を前に、政府・与党内で複数の増税対策が検討されている。どれも低所得者や高齢者の負担軽減が大前提だが、対策が増えるほど中身は複雑になる。中小店舗の経営者からは「増税まで1年を切ったが、実際に何をしたら良いのかわからない」と戸惑いの声が挙がる。小売業者だけでなく卸売業者、消費者も混乱し始めている。

懸念材料は大きく3点。一つはポイント還元。中小の小売店でクレジットカードや電子マネーなどでキャッシュレス決済した買い物客に価格の2%分をポイントとして還元する仕組みで、1年程度の時限措置として政府・与党が検討中だ。

14年に消費税率を8%に引き上げた際、消費の停滞が約3年も続いた反省を踏まえた。政府がキャッシュレス決済比率を27年までに倍増の4割まで高める計画を掲げることも背景にある。経団連の中西宏明会長は「キャッシュレスポイント制は一番コストがかからず、景気対策になるという観点におけるシナリオだ」と受け止める。

二つ目の懸念は酒類を除く飲食料品などが対象の軽減税率。店内で飲食する場合は対象外で税率は10%、持ち帰りなら税率は8%になる。コンビニ利用者からは「いちいち店員に申告するのは面倒だし、申告させること自体に不公平感がある」と批判の声が強い。

三つ目は、自治体などが発行するプレミアム付き商品券。政府・与党は2万円の購入金額に5000円を上乗せする案を軸に検討する。だが消費税率を8%に引き上げた14年度、購入金額に2―3割を上乗せしたが消費喚起効果は1000億円程度にとどまった。

【ニュースイッチ(日刊工業新聞) 配信】

安倍さんを

忖度して行政が走り回る、この構造は依然として続いているようです。

「消費税を増税すれば消費が停滞(低下)することは分かっているが、安倍さんがやると言っているから、できるだけ消費の鈍化を防ぐ手段を考えよう」、官僚の間ではこのような会話が交わされているのではないでしょうか。

1年程度の時限措置として

ポイント還元なども検討されているようですが、これなどは「とにかく出だしだけ気をつければ、そのうち国民も忘れてしまうから」といった考え方が透けてみえます。

そもそも消費税を上げれば税収が増えるという考え方は正しいのでしょうか。

余裕のない家庭では

使える金額が限られています。つまり消費税込みで月々15万円とか、20万円とか決まっています。

ですから消費税がいくらになろうが使える金額に変わりがなく、消費税が上がればそれだけ購入金額が減ることになります。

使える金額が20万円とすると、消費税が8%の場合は購入金額が184,000円で消費税が16,000円となり、消費税が10%の場合は購入金額が180,000円で消費税が20,000円となります。

つまり

税収は4,000円増えますが、売る側(企業)は売上が4,000円減ることになります。

この結果企業はその分人件費などの経費を削減しようとしますので、人を減らしたり、給与を減らしたりします。場合によっては倒産したり、閉店したりということも起こります。

すると従業員が収めていた所得税や年金、保険料が減ったり、無くなったりしますので、その分税収が減ることになります。

やがてはそれらの金額が増税分の税収を上回ることにもなります。

ですから

消費税の増税というのは、幾分使える金額に余裕がある家庭が多い場合に限られる政策だと思います。

その場合は購入金額が20万円となり、それに消費税が少し加算されるという感覚になるでしょうから、消費税による消費の低下も比較的少なくなるものと予測できるからです。

一般的には

1%の増税で2兆円を確保できると言われていますが、それはあくまでも過去の税収データから導き出した数値であり、少子化が進む今後は、1%で2兆円を確保することは難しいという見方もあります。

国民の貯蓄額について統計データを見てみますと、

  • 20代 貯蓄のない世帯41.0% 平均値183万円 中央値30万円
  • 30代 貯蓄のない世帯34.2% 平均値415万円 中央値130万円
  • 40代 貯蓄のない世帯30.4% 平均値614万円 中央値300万円
  • 50代 貯蓄のない世帯29.5% 平均値1124万円 中央値408万円
  • 60代 貯蓄のない世帯28.1% 平均値1765万円 中央値740万円

というデータも見られます。

中央値とは、数字を小さい順に並べていったときに真ん中に来る数字のことで、たとえば極めて少数の人の貯蓄額がずば抜けて高額の場合、平均値は大幅に上がりますが、中央値は実態に近い値を示します。

ここ数年は

貯蓄のない家庭が増えていて、2014年の調査では30.4%の家庭に貯蓄がないことが分かっているそうです。

一方で、財務省が9月3日に発表した2017年度の法人企業統計によると、企業(金融・保険業を除く全産業)の「利益剰余金」、いわゆる「内部留保」が446兆4844億円と前年度比9.9%増え、過去最高となったとのことです。

増加は6年連続で、9.9%増という伸び率はこの6年で最も高いと言われています。

消費税を2%増税し、(仮に)2兆円税収を増やすことで消費を低迷させるよりは、企業の446兆円の中から2兆円分納めさせる方がよほど理にかなっていると思いますが、いかがでしょうか。

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