最近のニュースで次のように報道されていました。
石原伸晃経済財政・再生相は15日午前、2015年10~12月期の国内総生産(GDP)発表を受けて談話を公表した。実質GDPが前期比年率1.4%減と2四半期ぶりのマイナス成長になったことについて「記録的な暖冬により冬物衣料品などが大きく落ち込んだ」ことで個人消費の減少幅が大きくなったことが主因との見方を示した。(出典:日本経済新聞)
確かに暖かければ
厚手のコートやダウンジャケットなどは売れなくなるでしょうが、その分他の足りないものを買うということになるのが自然です。全てが満ち足りている人はごく僅かだと思いますので、余裕があれば必要なものの購入へと向かうのが人の心理で、それがないというのは単に余裕がないということではないでしょうか。
余裕があるときは「なくても良いがあればなお良い」というものは買うこともありますが、余裕がないときは「なければ困る」というものしか買わないはずです。要するに厚手のコートやダウンジャケットが「なければ困る」というものに該当するかどうかという問題に過ぎないのではないでしょうか。
GDPの落ち込みの原因は
「暖冬」などという抽象的なものではなく、「消費税の増税」に尽きると思います。要するに購入にあてる金額が消費税を含めて20万円などと決まっているために、増税になれば購入金額(本体価格)が減るということになります。消費税が10%になれば購入できる購入金額(本体価格)はさらに減るでしょう。
最低限必要なものから順に購入していき、その幅が減ってきているということで、仮にそれでもどんどん買う人はやがて自己破産という結果になる訳で、そんな切実な生活を目の前にして、暖冬の影響が主因という見方をしている大臣の政策で本当に大丈夫なのかと思う国民は多いのではないでしょうか。
せっかく良い物を造る技術力があり
設備もあるのに購入できないという現実をどう考えるかということではないでしょうか。
ある会社が1,000万円投じて、1,500万円分の製品を制作して500万円の利益を見込むということは良くあることですが、1,000万円しか投じていないということは1,000万円しか消費者に渡していないということで、消費者は残りの500万円をどこから得るのですかという疑問が残ります。
他の企業から取得すればよいといっても、こんどはその企業の利益分に見合う金銭はどこから得るのですかということになります。
つまり生産性があがり
生産力が向上した場合にその全ての製品を売るためには、価格を経費合計分に下げるかあるいは国が増えた製品分のお金を印刷して流通させる以外に方法はないのだと思います。
それが第一歩で、企業が潤い利益が出て雇用や給料を増やすのはあくまでも第二歩だと思います。第一歩がなければ、通常では第二歩は生れないのではないでしょうか。