新しい政治団体設立の報道です。
【小林節氏ら参院選出馬へ 「安保法廃止」で政治団体設立】
安全保障法制を「違憲」として廃止を訴える憲法学者の小林節慶応大名誉教授(67)らが政治団体を設立し、夏の参院選に比例区から立候補する意向を固めた。「反安倍政権」を旗印に候補者をインターネットなどで募り、小林氏も含めて選挙運動が認められる10人以上を擁立する方針。9日に記者会見して発表する。
新たな政治団体は政策として、安保法廃止▽言論の自由の回復▽消費増税の延期▽原発廃止▽「憲法改悪」阻止――などを掲げる。参院選では、公職選挙法の規定で政党に準じた選挙運動が可能になる「確認団体」となるために、少なくとも候補者10人を立てる予定。立候補に必要な供託金も、ネットなどを通じて支援を募るという。
(朝日新聞デジタル 配信)
現政権が行っている施政に対し、
それとは異なる施政方針を打ち出して政治団体を設立することは、民主主義国家における市民の活動として大変立派な行いだと思います。
しかしいつも思うことは、ある政治団体が多くの支持を集め、多くの党員を国会に送ったとしても、果たして行政府を構成できるのだろうかということです。
単に立法府としての多数を得ることには
何ら心配すべきことはないのですが、議院内閣制では多数党が行政府を構成することになりますが、この点になると非常に不安感が高まります。
新しくできた政治団体に所属する議員を中心とした党に、経済、外交、防衛など、国のさまざまな運営に対する指導力が発揮できるのかどうかとなると、どうしても否定的になります。
その意味では
政治団体とは本来、立法員としての力量と行政員としての力量を共に合わせ持つ組織でなければならず、そのためには多くの行政員スタッフをも内包して欲しいと思います。立法すると共にそれをどのように行政に反映するかを想定できる組織ができて初めて、堂々と国民に訴えることができるし、国民の側も安心してその組織に任せることができるのだと思います。
今回の新しい政治団体も、是非そのように層の厚い、実践的組織としての内容を伴うものであって欲しいと思います。そのためにも是非政治家としての登録と、行政スタッフとしての登録の両方に力をいれて、このように実現しますということを国民に見せていただきたいと思います。
新しい政治団体ということになると、
どうしても選挙期間だけの組織となることが多いものですが、仮に選挙に負けても活動を続けて欲しいと思います。行政スタッフの登録などを考慮すると、もっと数十年という期間を視野に入れた組織であることが望ましいと思います。
そのためには、単に個別の旗を立てるだけではなく日本をどんな国にしたいかという大きな旗を立てることも必要でしょうし、運営するための資金調達の仕組みも必要になると思います。
そんな新しい政治団体が誕生すれば、今までとは違った、国民にとって期待のできる、大きな新しい流れが生まれるかも知れません。今後大いに注視していきたいと思います。