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皆さんは最近、求人募集を見たことがあるでしょうか。

最近の求人募集の募集要項(条件)を見ると、「・・・の経験があること」、「・・・を使用できる方」などのように、経験を条件にしたものが多くなってきています。このような条件を載せることでどのような効果があるのでしょうか。

経験者を募集したい

という気持ちは理解できますが、その経験者に何を求めているかで随分違った意味合いになります。「そのような経験を持っている人ならより好ましい」というレベルなのか、「そのような経験を持っている人は即戦力として働けるはず」というレベルなのかで、条件という重みが違ってきます。

社員・職員の求人というのは、

採用される側の人にとっては、ある意味で特殊な環境への適応を意味します。

ITを例に取ると「これから応募する勤め先でのIT業務が、他の(今働いている)勤め先のIT業務と同じということはほとんどない」と言っても過言ではありません。使う言語、バージョン、ツールの種類、標準化、フレームワーク、プロジェクトの体制、それぞれの特殊事情が影響するので、ある意味では全く異なるものという言い方をしてもおかしくはないほどです。

そのような状況を考えた時、

仮に「・・・言語の経験があること」、「・・・ツールを使用できること」という条件がある場合、応募する側の技術者にとっては、自分の経験がその条件に当てはまるか判断できないことが多いものと思います。

この条件をラフなレベルと考える場合は、該当していると思うだろうし、シビアなレベルと考える場合は、該当していないと思うはずです。

求人側とすれば

「即戦力」を採用したいと考えるのは良く分かりますが、あえていうなら「求人側でもう少し育てる気持ちを持っていただきたい」と思います。

見方によっては、全く異なる開発環境に身を置くことになることを考慮して、「徐々に慣れてもらえばそれで良い」というくらいの度量を持っていただければ、もっと応募する人が増えると思います。

仕事の内容が複雑であればあるほど、その傾向が強まります。求人側の皆さん自身が、他の会社などに転職する場合を想定してもらえば、頷ける点が多々あるのではないでしょうか。

多くの経験者の方の本音は、

「慣れるまでは少し時間がかかるだろうが、慣れてしまえばこれまでの経験で充分やれるに違いない」という気持ちだと思います。でも「求人側の中には、経験者であることを理由に一切余裕を与えず、納期設定されてしまう所もあるのでないか」と不安を抱いている技術者も少なくないと思います。もし求人側にそのようなつもりがなければ、募集条件にそのレベルで良い旨を謳っていただければ転職活動ももっと活発になり、双方にとって望ましい結果が得られるに違いないと思います。

1970年~1980年代くらいまでは、

まだ求人側も余裕があったと思います。技術者の中にはいくつもの会社を渡り歩く人もいますので、求人側に技術者を育てる余裕がなくなったとしたら、そういう転職傾向が影響しているのかも知れません。

いろいろな事情が影響して余裕がなくなったことは想像できますが、日本の技術大国の原点は丁寧に育てることだったと思います。是非もう一度そのことを思い出して、今後の日本の発展のためにも、自分の会社の発展のためにも、そのような視点の元で対応されることを心からお願いしたいと思います。

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