『西側諸国がウクライナ軍の武器弾薬の補充を急ぐ一方、欧州やその他地域の諸国は、冬を迎えたウクライナに照明と暖房をもたらすべく、先を争って変圧器、開閉器、ケーブル、さらにはディーゼル発電機を供給している。』とのことです。 |
西側諸国がウクライナ軍の武器弾薬の補充を急ぐ一方、欧州やその他地域の諸国は、冬を迎えたウクライナに照明と暖房をもたらすべく、先を争って変圧器、開閉器、ケーブル、さらにはディーゼル発電機を供給している。
ウクライナは、電力供給を維持するために緊急に必要となる約1万品目のリストを欧州諸国に提示している。
支援の主役は、旧ソ連圏諸国や元共産主義国だ。地理的にも近く、またこの地域の電力網にはウクライナ側と互換性のある機器が残っている。
マシューリスCEOは、最も必要とされているのは、彼らがウクライナに向けて発送しようとしているような単巻変圧器だと話す。価格は約200万ユーロ(約2億8000万円)、重量は200トン近い。輸送に向けて脱着可能なパーツを外し、オイルを抜き取るために2週間を要する。
「我が国では電力網の更新を進めている。退役させるものはすべてウクライナに送る」とマシューリスCEO。
リトアニアの北に接するラトビアも、かつては旧ソ連圏に含まれていた。同国も大型の変圧器を5台ウクライナに送る予定で、そのうち2台はまもなく輸送の準備が整うという。
10月上旬以降、ウクライナのエネルギー関連インフラを標的としたロシアの攻撃により停電が発生し、何百万人もの住民が、ほとんど、あるいはまったく暖房のないまま、氷点下の気温を耐え忍んでいる。
ロシア政府は、こうした攻撃はウクライナを非武装化する「特別軍事作戦」の一環として正当化される
と主張している。ウクライナおよび西側諸国は、相手側の戦意を喪失させ弱体化するための民間人を狙った冷酷な無差別攻撃だと見ている。
欧州域内の団体、アゼルバイジャン、フランス、ラトビア、リトアニア、ポーランドといった諸国、さらには個別の企業も、すでにウクライナ向けに多数の機器を送った。
【REUTERS(ロイター) 配信】
独裁者
プーチン氏による無差別攻撃で多くのウクライナ国民が大変悲惨な状況に追いやられていますが、今回の報道ではそれを懸命に助ける近隣諸国(国民)の状況が報告されています。
今回のプーチンロシアによるウクライナ侵攻は全く理解に苦しむ軍事行動であり、その理由として挙げられている「旧ソ連邦時代における領土回復行動」ということについても決して意味のあるものとは思われません。
現在の
ロシア一国でも十分広大な領土を有しており、仮にウクライナを属国として配下に置いたとしても従来と比べてそれほど安全保障面での大きな違いが生じるとは思えません。
周りをNATO軍加盟の国に囲まれていたとしてもNATO軍がロシア侵攻を企てる危険性はなく、むしろNATO軍に加盟する理由として挙げられる「独裁者プーチンロシアによる侵攻への備え」ということの方が大きな問題だと思われます。
つまり民主主義国が独裁国に侵攻する危険性より、独裁国が民主主義国に侵攻する危険性の方が高いというのが現実的な考え方だと思います。
民主主義国家では
国民の総意により戦争行為が行われますが独裁国家ではたった一人の独裁者とその取り巻きにより(まさに今回のウクライナ侵攻のように)決行されますのでその容易さには大きな違いがあり、その点から考えても危険なのは独裁国家の方だと言えます。
独裁国家(プーチンロシア)の現実については今回のウクライナ侵攻という戦争を通して次第に明らかになりつつありますが、要するに独裁者は中世時代の国王に匹敵する権力を持ち、公私において自らへの安全保障(軍事的な権力による保障)を強化し「自らの敵対者を容易に抹殺し得ることで」多くの国民にとっては正に悪夢のような治世と言えます。
独裁国家の
国民は半ば諦めており、当然民主主義国家としての治世に慣れた国民にとっては再び独裁国家の治世に戻ることなど断じてできないという思いが実態としてあるのだと思われます。
プーチン氏のやり方に魅力を感じているのかそのような独裁国家がいくつか存在しますが、そのような国家にとっては民主主義国家の軍事力により自らの権力を取り上げられることが一番の恐怖であり、そのための軍事力強化に奔走し、互いに協力しあっているというのが現実の姿だと思います。
独裁国家の
最大の犠牲者は独裁者とその取り巻きにより利用される多くの国民であり、その国民が軍事力を身につけて民主主義国家と連携して自らを解放することが最良のシナリオだとすれば、今のロシア国民にはそのチャンスが訪れていると言えるのかも知れません。
独裁国家というのは国家がテロを行うことができますので、そのことを思えば近隣の民主主義国家はたとえしたくなくても軍事力の強化へと向かわざるを得ない状況に置かれます。
結局
全ての独裁国家が民主主義国家に変わるまでは軍事力強化の連鎖は途絶えることがなく、その意味でも独裁国家における民主主義的国民と共にその解放に務めることがより重要になるものと思われます。
そして全ての独裁国家がなくなり全て民主主義国家となれば軍事力自体の用途が削減されますし、その分経済的繁栄を加速させることもできると思います。
国民の
数は膨大な数であり、本気になった国民に対してはたとえ独裁者の強権を持ってしてもそれを牛耳ることなどできないことは、独裁者自身が常に思っていることだと思います。
ロシアにはプーチンロシアと呼ばれる(?)プーチン氏とその取り巻きの他に膨大な民主ロシアと呼ぶべき国民がいます。
これら民主ロシアが多くの民主主義国家と連携することこそが現実的な選択であり、それが他の独裁国家へと波及することが世界的な安全保障への最良の道筋だと思いますが、いかがでしょうか。
参考情報:
- 国連からロシア追放を 「常任理事国」剥奪も呼び掛け [※この記事は削除されました]
- ロシア軍、来年にも新たな大規模攻撃を計画=ウクライナ首脳
- NATOに対抗し150万人へ軍増強、軍管区も新設 ロシア[※この記事は削除されました]
- 「遠い国の戦争が…」 東南アジアの縫製工場を襲う解雇の波