『分析の結果、脳梗塞患者の87・5%に頚動脈変位走行異常が見られた。』そうです。 |
老親を見て「小さくなった」と感じることがあるだろう。その“変化”は、脳梗塞のリスクが高い状況かもしれない。
「高齢者で前かがみの姿勢になっている人は少なくありません。顔が下を向き、首の辺りから前かがみになっている場合は特に要注意です」
こう指摘するのは、国立病院機構東京医療センター感覚器センター(耳鼻咽喉科学)の角田晃一医師だ。こういう高齢者が喉の違和感を訴えた場合、角田医師は脳梗塞の予兆を疑うという。
頚動脈の変位走行異常(頚動脈が不自然に曲がる異常)があれば、ホースがねじれて水の出が悪くなるのと同様、血液の流れに変化が起こる。ある場所ではスムーズに流れるが、ある場所では速くなったり、ゆっくりになったりする。たとえば、ホースの先端を狭くすれば水の流れは速くなって遠くに届く。一度ゆったりして、その後、ドバッと一気に流れると、勢いで血栓が脳に飛び、脳梗塞を起こす可能性がある。
分析の結果、脳梗塞患者の87・5%に頚動脈変位走行異常が見られた。脳梗塞でない人では、8・6%だった。
身長についても調べた。身長が3センチ以上減っている人は、脳梗塞患者の76・4%。一方、脳梗塞でない人では19・6%。また、脳梗塞患者の87・5%を「頚動脈の変位走行異常+身長3センチ減」が占めていた。脳梗塞でない人では6・75%だった。
「首の辺りで前かがみになると、胸、胸郭、頭のてっぺんの距離が近くなり首が短くなります。ここには頚動脈があり、加齢で硬くなっているので縮まらず、狭い首の辺りで不自然に曲がるしかなく、脳梗塞を起こしやすくなるのです」
【日刊ゲンダイ ヘルスケア 配信】
ある程度の年齢になると
「加齢による身長の減少がみられる」ということは、良く耳にすることの一つだと思いますが、その原因は脊柱の骨の圧迫(圧縮)にあると思っている人が大半ではないでしょうか。
今回の記事では、頚椎が不自然に曲がることでも首が短くなり、結果として身長が減少するとのことです。
脳梗塞患者の
87.5%に「頚動脈が不自然に曲がる異常(変位走行異常)があり、また身長が3センチ減少するという現象がみられた」そうで、やはり首の不自然な曲がりには注意が必要なようです。
結局加齢により足が弱ってくるとそのしわ寄せが腰にいき、腰の変形により首が前にでた形で歩くことも少なくなく、その結果として頚椎が硬くなり、やがては不自然に曲がり、頸動脈の動きが不安定になり、それが脳梗塞につながるということになるのでしょうか。
足腰が原因で
歩く時に首が前に出るとしても、なるべく首を真っ直ぐに伸ばすよう意識したり、あるいは首の運動をして柔らかく保つことはできると思いますので、大いにそれらの事柄を心がけていきたいと思います。
記事では血管をホースに例えて説明していましたが、確かにホースが曲がると中の液体の動きが不安定になることは間違いなく、その意味ではホース(=血管)をできるだけ柔らかくまた真っ直ぐの状態に保つという絵を思い浮かべながら暮らすことで、少しでも重大な病にかからないよう気を付けたいものですね。