英国のロック歌手ロッド・スチュワート(74)は、ロンドン近郊でのチャリティーイベントに参加し、「前立腺がんと診断されたんだ」と告白したそうです。 |
がんを克服した方のニュースは、うれしいものです。英国のロック歌手ロッド・スチュワート(74)は、ロンドン近郊でのチャリティーイベントに参加し、「前立腺がんと診断されたんだ」と告白。集まった500人のファンがショックを見せると、「もう大丈夫なんだ。早期発見で完治したから」と続けて笑いを誘ったそうです。
報道によると、前立腺がんは3年前の検診で見つかったといいます。2000年に甲状腺がんを早期発見して以来、1年に3回の定期検査を受けていたことが、早期発見に結びついたのでしょう。不幸中の幸いだったことで、イベントでは「みんなも医者に行かないとダメだぞ」と呼びかけています。
前立腺がんは、日本で急増していて、今後も増加の一途。ロッドのように早期発見を心掛けることはとても大切です。
右肩上がりの背景には食生活の欧米化が関係しています。1950年の食品摂取量を100とすると、米や野菜、魚介類、いも類、豆などはほぼ横ばいですが、肉類は10倍近くに上昇。同年の栄養素を100とすると、ビタミンや炭水化物、タンパク質、食物繊維などは横ばいか微増ですが、脂肪は3倍にアップしているのです。
脂肪の摂取量が増えるほど、前立腺がんの死亡率が上がることは、国際的な研究で明らかになっています。前立腺がんは男性ホルモンの影響を受け、その男性ホルモンがコレステロールから合成されるためでしょう。前立腺がんの罹患数は、2020年に1995年の6倍に増加。肺がんや大腸がんは2倍前後ですから、前立腺がんは突出しています。
ロッドがどんな治療を受けたか分かりませんが、欧米では7割が放射線ですから、恐らく放射線でしょう。一部報道には「がんが消えた」といった表現もあります。
放射線の治療効果は、手術と同等で完治が期待できます。手術は、尿漏れや勃起障害のリスクがありますから、放射線を選択しないのは、もったいない。
【日刊ゲンダイ ヘルスケア 配信】
報道では
「1950年の食品摂取量を100とすると、脂肪は3倍にアップしているのです。」と伝えていますが、驚きですね。
この脂肪と前立腺がんとの関係につきましては『脂肪の摂取量が増えるほど、前立腺がんの死亡率が上がることは、国際的な研究で明らかになっています。前立腺がんは男性ホルモンの影響を受け、その男性ホルモンがコレステロールから合成されるためでしょう。』とのことですが、つまりは男性ホルモンが増えることで前立腺の維持・成長を促し、その際に遺伝子のミスコピーが生じる可能性も増えるということのようです。
公開されている情報には
『前立腺は男性ホルモン(アンドロゲンともいいます)がなければ十分な働きができず、また前立腺が成長するにも男性ホルモンが必要です。 前立腺がんや前立腺肥大症などの前立腺に発生する病気も、男性ホルモンにより進行することがわかっています。』という文言も見られます。
つまり「細胞の生成・成長にはコレステロールが必要で、それを補うことで生成・成長が活発になり、その影響でミスコピーの割合も増える」ということで、結局はほどほどが一番ということに尽きるのかも知れませんね。
問題は
前立腺がんの治療方法ですが、報道でも『放射線の治療効果は、手術と同等で完治が期待できます。手術は、尿漏れや勃起障害のリスクがありますから、放射線を選択しないのは、もったいない。』と伝えているように、放射線による治療が良いようです。
放射線治療にはIMRT(強度変調放射線治療)というものがあり、これは専用のコンピュータを用いて照射野の形状を変化させたビームを複数用いて、腫瘍の形に適した放射線治療を行う新しい照射方法で、報道では5回照射で終了と伝えています。
ただし
『前立腺は直腸に接しているため、前立腺に放射線を照射すると、少なからず直腸も放射線を浴びるため、治療後3カ月以降に直腸出血が生じ、最悪の場合、人工肛門になる恐れもあります。』とのことで、この危険性(直腸障害)を低減させるためにハイドロゲルスペーサーという医療材料が認可されたそうです。
報道ではこのハイドロゲルスペーサーについて、『局所麻酔で会陰部から針を挿入し、直腸と前立腺の間にハイドロゲルを注入します。体内に入ったゲルは数秒で固まってゲル化し、3カ月ほど安定し、1センチ程度の隙間ができるのです。これにより、前立腺に強い放射線を照射しても、直腸への影響を防ぐことができます。ゲルは治療後、半年から1年で体内に吸収されます。』と伝えています。
生命の維持には
細胞の生成が不可欠で、この細胞が複製されるときにミスコピーが起き、がん化するということですが、ではミスコピーがなぜ起こるのかと言えば、その根底には「進化の仕組み(突然変異)がある」と伝えられています。
つまり決まって同じ細胞が複製されれば進化することもない訳で、進化とがん化がある意味、同じ根っこでつながっていると言っても過言ではないようです。
生物の誕生や
進化という複雑な仕組みについて考えると、いつも「何らかの設計図に基づいて行われているのでは」という思いに駆られますが、宇宙の構造にしても、素粒子の振る舞いにしてもそうですが、科学的な考察が深まれば深まるほど「何らかの関与」という思いが強まるばかりです。
一説には「我々は何らかの実験対象になっている」という意見もみられますが、そう思いたい気持ちは皆さんお持ちではないでしょうか。