自分の電話番号を相手に知らせずに電話をかける、いわゆる非通知という方法がありますが、何故この方法を残しておくのでしょうか。
電話というものは
メールと違って、その場で作業を中断して出なければならないものです。話してみなければ内容が分からないので、その意味では緊急性の高いものといえます。
このような通信媒体にも関わらず、誰からかかってきたか分からないというのもおかしな話です。固定電話では、まだ多くの人が相手が誰か分からないまま、受話器を取っている人も多いと思います。
非通知にしておけば
電話をかけた人が誰だか分からないので、迷惑な内容や勝手な内容を伝えても、通話先の人から非難されることがないので、かける方にとっては都合よいかも知れませんが、かかってきた方にとっては迷惑このうえないものとなります。いやがらせや、詐欺行為などの不法行為が横行する温床にもなっています。
このような状況があるにも関わらず、いまだに非通知で呼び出すことが続けられているのは何故なのでしょうか。
固定電話には
「非通知」と表示されるものもありますが、まだそういう表示がされない電話機を使っている人も多いと思われます。表示される電話機だと「呼び出しをしない設定」などということもできますが、そうでなければ知人が非通知でかける場合もあるため、結局出ることになります。特に会社の場合は「非通知」と分かっていても顧客の可能性があるため、殆どが出ることになると思います。
仮に「非通知」を廃止し、
「通知」以外は利用できなくしたらどのような不便が予想されるでしょうか。
受け手にとっては迷惑電話の場合は次回からは出ないという選択肢が選べます。電話番号が表示されない電話機を使っている人でも、かける方にはそのことが分からないので迷惑電話は大幅に減少するものと思われます。
かけ手にとっては、例えば苦情などを言う場合や、初歩的なあるいはプライベートな質問をする場合に不都合ということなどが考えられますが、それ程の問題とも思われません。
法というものは、
ある種の一方性が必要です。どちらも可能な選択の余地を残すことは、抜け道を作ることになるからです。
通信サービスは、今やより重要性を増しており、いわば使い勝手の良いサービスが望まれています。「おれおれ詐欺」のようなトラブルを防ぐ上でも、業界の方から「全通知」のみの利用方法を提案し、実施するというのは無理な話なのでしょうか。