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最近、雇用対策という言葉をよく耳にしますが、この雇用対策は適切に行われているのでしょうか。

雇用対策と言えば、

すぐに職業訓練だとか講習会だとかに国の予算を振り向けることが多いのですが、これによる効果は期待できるのでしょうか。

たとえばIT関係の職業訓練ですが、わずかな期間訓練を受けただけですぐに職場がみつかるとはとても思えません。ITは範囲がものすごく広い上、各々における内容も相当深いものです。プログラムの種類も、システムの開発環境も、関連する技術もとてつもなく広範囲で、さらに各々における技術的な進歩が早く、6ヶ月前に主流だった技術が新しい技術に変わることも珍しくありません。

わずかな期間の訓練では

せいぜいオフィス系プログラムの操作を覚えるくらいが関の山で、とても開発現場で戦力として働ける技術力を身につけられるとは思えません。何十年も経験してきたベテランIT技術者が働く場を探してもみつからないことを思えば、とても現実的な対応とは言えず、効果はそれほど期待できないと思います。

結局、技術者を育てることができるのは

職場なのです。現在は即戦力の人材ばかり求める傾向が企業に見られますが、先行投資ということの意義を忘れてしまったかのようです。

これからは現役を引退したシステムエンジニアがどんどん増えてきます。この人達は年金で暮らすことになりますが、まだまだ仕事はできるはずです。ベテランに仕事がないのは大手情報システム開発の会社が下請け会社から人を集める際、ベテランを排除しているからに他なりません。

雇用対策というのなら、

まずはこの大手企業の姿勢を是正し、また年金を受け取っている人を雇った会社には雇う事でメリットがでるようにすべきだと思います。たとえば年金受給者が働けば年金支給額が減りますが、この減った分の半分を雇用した会社に支給するというのも一つの方法でしょう。

他にも協力企業への対応としてのいろいろな方策があると思いますが、大事なことは「本当に雇用を増やす手段を考えて欲しい」ということです。単なる形としての職業訓練関係の場を増やすというものではなく、企業がすぐにでも雇用したいと思うような人間を育てる対策こそが必要な対策に他なりません。

企業への支援策の他にも

たとえば企業に老若雇用均等法的な制約などを課すことによって、まだまだ現役で活躍できる経験豊富な技術者の雇用を継続させることができると思います。企業には即戦力が欲しいという現実がありますが、ベテランに未経験の若者を密着指導させることでチームとして成果を上げるという作業の仕方もあるのではないでしょうか。

それによって年金負担が減り、企業の生産コストが減り、国内での消費力が向上するとすれば、極めて実効性に富む方策と言うことができます。

近年の企業には

「若者を育てる余裕がなくなった」といえるかも知れませんが、一方でベテランが元気で、働きたい人もたくさんいるのですから、うまく組み合わせることも一つの現実的な知恵だと思います。

単なる昔からの古いセオリー通りの対策を講じるのではなく、人間の知恵、政治の知恵をみせるときがきていると思います。

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