大きな目標を持って、そこに向かっていくことで、より努力し、それだけすぐれた人間になれると思っている人は多いと思います。
確かに目標を掲げることで、
自分を叱咤激励して、才能を伸ばすことができます。しかし物事には必ず副作用というものがあります。目標を高くすればするほど、相対的に身近なことがつまらなくなっていくということもその一つです。
結果的に、目立つこと、多くの人に賞賛されることが素晴らしいことであり、日常の誰でもできることは、つまらないこと、という意識がより一層強まっていくかも知れません。
あるいは、できない高次元の事ばかりを追いかけていくと、やがては挫折して、何もできない自分に存在意義を見いだせなくなることもあり得ます。
しかし現実を見ると分かりますが、
日々の努力の積み重ねほど、力強いものはありません。たとえば技術的分野では、少しづつ改良を繰り返して、やがては無理だと思っていたものが完成することが多いものです。その多くは一人の傑出した天才の魔法の杖の一振りでできたものではありません。
次のような偉人の言葉が残されています。
マザー・テレサ
大きなことを出来る人はたくさんいますが、小さなことをしようとする人はごくわずかしかいません。
ゲーテ
人々は他人のすることばかり気にしていて、自分の手近の義務を忘れがちです。
バードランド・ラッセル
他人と比較してものを考える習慣は、致命的な習慣である。
自分の身近に、
できる事はたくさんあります。「できる事をやる」という姿勢が大切です。他に目を奪われず、超常に惑わされず、できる事を続けていけば、次々と課題が生まれ、それを順に克服していくことで、必ず大きな成果が得られるはずです。
どんな大きな発見でも業績でも、必ずそこに至るまでには小さなことの積み重ねがあるもので、ある意味では「身近なところにしか、成功の鍵はない」と言っても過言ではないかも知れません。