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対立が一段と激しくなってきた米中の貿易戦争ですが、長引けば中国に拠点を持つ日本企業は他国への生産シフトといった対策を講じる必要も出てくるとのことです。


 

対立が一段と激しくなってきた米中の貿易戦争。制裁と報復は両国をむしばむだけではない。日本にとって巨大市場の中国の景気停滞は手痛い。貿易摩擦が長引けば、中国に拠点を持つ日本企業は他国への生産シフトといった対策を講じる必要も出てくる。

米国の関税の引き上げに対し、中国も報復措置で対抗する可能性が高い。米国と中国が制裁と報復を繰り返せば貿易摩擦は過熱するばかりだ。火種がくすぶるなか、日本企業は状況を注視しながら事業活動を続けていくしかない。

先行きは不透明だが、対策は早いに越したことはない。住友電気工業は米国が中国製品に課す関税のために、20年3月期に営業利益が25億円減少する影響を見込んでいる。

自動車部品を中心に影響が出ており、生産を中国から東南アジアやメキシコなどに一部移している。前期は約半年間で営業利益30億円の押し下げ影響があったが、今期はこれらの対策によって影響を抑える。

ただ、大がかりな生産設備が必要な製品などは容易に生産移管できない。車載用の配電ボックスや防振ゴム台座に使う部品など、中国生産を続けざるを得ないものもある。

【ニュースイッチ(日刊工業新聞) 配信】

米商務省が

今年3月27日発表した1月の貿易統計(通関ベース、季節調整済み)によると、対中国のモノの貿易赤字は332億2400万ドル(約3兆6500億円)と前月に比べて14.2%減ったそうです。

ちなみに米商務省が2018年2月6日に発表した2017年の貿易統計(通関ベース)によると、モノの貿易赤字は7962億ドル(約86兆8千億円)と前年比8.1%増え、2008年以来、9年ぶりの大きさだそうです。

貿易が

赤字になるということは「国内生産物が海外で消費される割合」が、「海外生産物が国内で消費される割合」より少ないということで、つまりは国内生産物が消費されにくいことを示しています。

生産力には消費力が必要不可欠ですが、つまりは海外製品により米国国内の消費力が使われているということで、それだけ米国の生産力が制限され、それだけ米国の労働力が使われなくなり、それだけ貧しい人達が生まれるということになります。

話は変わりますが、

たとえば日本の農業を守るために海外の農産物には関税がかけられます。

これは弱い産業を保護しないとその産業が衰退して機能しなくなるからで、つまりはその分野における自主性を保ち、他国への依存度を少なくするという狙いをもつものであり、たとえば農業で言えば農産物の自給自足を高めるという狙いをもっています。

広い国土を持つ国が

大規模農業により高品質で安価な農産物を大量に生産してそれを販売されると、狭い農地で生産される高価な農産物は売れなくなり、結果として日本の農業は衰退し自給自足が不可能になっていきます。

海外の農産物が必ず日本に供給されるという保証があれば良いのですがそれはないので、仮に海外からの農産物が途絶えた場合はたちまち困窮することになります。

従って最低限の自給自足を保持する必要があり、そのためには海外製品に一定の関税をかけて競争力を均等化する一方で、強い農業へと変える努力が求められています。

私は

常々「労働力」にも関税をかけるべきだと思っていました。

「労働力」の安価な東南アジア諸国などへ日本の企業が進出して、そこで生産した製品が各国で販売される世の中になってから随分経ちますが、これは海外の安価な「労働力」により国内の高価な「労働力」が売れなくなっているということを意味しており、前記の農産物に置き換えれば、海外の「労働力」に関税をかけて然るべきだと思われますがいかがでしょうか。

仮に

それを実施するとなると、安価な「労働力」によって生産された全製品に「労働力」関税をかけることになります。

つまり現在の米国トランプ政権が行っていることは、それに類似した側面を持つものと考えることができるのではないでしょうか。

日本においても同様で、

中小零細企業は海外に生産拠点を移すことなどできませんので、つまりは日本の高価な「労働力」は海外の安価な「労働力」によって競争力を奪われ、貧しくなっていると思われますので、日本においても「労働力」関税たる意味での関税をかけることは、おかしいことではないと思います。

中国政府は米国の関税に対し、保護貿易だと非難しつつ、対抗関税をかけていますが、「労働力」関税という考え方でみれば中国の言い分のおかしさが分かります。

本来なら

安価な「労働力」と低い「技術力」がセットであったはずですが、それならたいした貿易摩擦も起こることはなかったと思いますが、いわゆるグローバル企業により安価な「労働力」と高い「技術力」が結びついたゆえの不幸が起こったと考えれば、「労働力」関税という考え方は、それを回避する意味での一つの方策なのかも知れません。

このように考えてみると、日本の政府は現在の置かれている状況に対して、何ら本質的考察も対応もしていないように見えますが、いかがでしょうか。

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