安倍政権が五年近く推し進めてきた経済政策アベノミクスですが、ものづくりの町、東京都大田区の大森・蒲田地区では「実感なき景気回復」に零細業者の悲鳴が聞こえてきた、とのことです。 |
『アベノミクス「果実」どこに 大田区の町工場 悲鳴』
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安倍政権が五年近く推し進めてきた経済政策アベノミクス。自民党や公明党は経済指標や株高を引き合いに成果を強調するが、その「果実」は地方や中小企業にまで及んでいるのか。ものづくりの町、東京都大田区の大森・蒲田地区では「実感なき景気回復」に、零細業者の悲鳴が聞こえてきた。
「今月中に破産申請することにしたよ」。大田区が産業支援の一環で二〇〇八年に建てた工場アパートの一室で、金属加工機械を操作していた男性(65)はため息をついた。工場内にいるのは男性だけ。「ここ二年で取引先が三件なくなった。やりたくても仕事がない」。
取引先の依頼通りに金属を加工して部品にする仕事を三十五年間続けてきた。ピーク時には三人の従業員を雇い、五台の機械を稼働させた。バブル後の苦しい時期も件数をこなしてしのいだが、〇八年秋のリーマン・ショックが大打撃に。直前に、相場の半額以下で借りられる区の工場アパートに入れたため続けてこられたが、取引先は不景気で縮小の一途をたどった。一五年、最後の従業員に辞めてもらった。
追い打ちをかけたのが、中小企業の支援策として国が進めてきた「ものづくり補助金」だ。納品先の中小企業が補助金で最新機器を導入したため「外注の必要がなくなった」と、取引を打ち切ってきた。「国や区の補助金は、従業員が何人かいて、健全経営の企業にしか出ないんじゃないか。うちみたいな孫請けの零細は、申請したって通らないよ」。リーマン時の融資が返済できなくなり破産を決めた。
【東京新聞 配信】
日本では
2008年のリーマンショックを契機に、大企業のグローバル化が進み、その結果、「中小企業や零細企業が取引先を失う」という傾向が、顕著になりました。
つまりグローバル化によって、安価な労働力への切り替えが促進され、中国や東南アジアなどの国への生産拠点の移転が増え、その結果として、これまでの日本の下請け企業への発注が減ったということになります。
アベノミクスとは
「3本の矢」からなる経済政策のことですが、第一の矢としては「大胆な金融政策」ということで、金融緩和により流通するお金の量を増やしてデフレマインドの払拭を図ることが掲げられています。
第二の矢としては「機動的な財政政策」ということで、約10兆円規模の経済対策予算によって、政府が自ら率先して需要を創出することが掲げられ、第三の矢としては「民間投資を喚起する成長戦略」ということで、規制緩和等によって民間企業や個人が真の実力を発揮できる社会にすることが掲げられています。
日本銀行による
介入の結果、第一の矢は目的を達成したとの評価もありますが、必ずしも消費動向が上向いてきたとはいえない、という見方もあるようです。
結局「3本の矢」は大企業のグローバル化という動きの前に、いわゆる「絵に描いた餅」に終わった、というのが正直なところかも知れません。
今、自民党が
高らかにアベノミクスの成果と促進を喧伝していますが、どうやら中小企業や零細企業にとっては絵空事にしか聞こえていないようです。
一体日本は今後どうあるべきなのでしょうか。
国単位での
生産と消費の一体化を図り、それをより大きなものに拡大するためには、やはりグローバル化した大企業に対する課税を強化すべきだと思います。
そのためには、それを実施してくれる政党を強くして、必要な政策の立案を期待するしかないと思いますが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。