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『<略>両施設に共通するのは、認知症の入所者がいる点だ。人によってマスクを外したり口に入れたりすることもあり、感染対策の徹底は容易ではないという。職員も介助などで入所者の体に触れることが多く、感染を完全に防ぐことは難しい。』との指摘がありました。


 

新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が起きた高齢者施設で、多数の死者が出る事案が兵庫県内で散発している。行政や関係者も対策を急ぐが、介護施設に特有の感染の広がりやすさや入院調整の難しさなどもあって、当面は厳しい状況が続きそうだ。

兵庫県宝塚市の介護老人保健施設では、4月中旬以降で、入所者36人、職員19人の計55人が集団感染した。施設によると、9人が死亡し、うち8人は入院先が見つからずに施設内で亡くなったという。

施設の関係者によると、保健所には何度もコロナ患者の入院を依頼した。だが、施設には常勤の医師と看護師がいることもあり、「施設でみてほしい」と言われたという。施設で酸素や薬の投与はしたものの、「症状が重くなると介護施設の設備では対応に限界があった」と悔しさをにじませる。

保健所の判断を待てず近隣の病院をあたったが、いずれも満床と断られた。救急車を呼び、到着後4時間待っても入院先が見つからないこともあったという。

神戸市の老健施設でも7日、4月中旬以降で133人が感染、25人が死亡する集団感染の発生が明らかになった。

両施設に共通するのは、認知症の入所者がいる点だ。人によってマスクを外したり口に入れたりすることもあり、感染対策の徹底は容易ではないという。職員も介助などで入所者の体に触れることが多く、感染を完全に防ぐことは難しい。

加えて、高齢者施設の入所者が感染した場合、「医療」と「介護」両方の対応が必要になる。姫路市のコロナ対策担当者によると、「重症者なら迷わず入院させるが、中等症以下の場合には判断をためらうケースもある」という。排泄(はいせつ)や食事の介助が必要な場合、病院では十分な介護が受けられないことが想定されるためだ。「病床の逼迫(ひっぱく)で入れない人が多くなっているうえに、入所者の入院は元々の難しさもある」

【朝日新聞デジタル 配信】

このところの

感染者数増大に伴い「ニュースでクラスターの発生が取り上げられない日はない」という状況になってきておりますが、このため高齢者施設では極端な外出制限が行われていることも少なくないようです。

高齢者施設での多くのクラスターの事例を見てみますと「認知症」ということが大きな要素となっているようで、更にその上に「医療的隔離ができない」という事情も重なっているようです。

日頃の報道では

単に「高齢者施設でのクラスターも発生しています」としか伝えられないため実際に高齢者施設に暮らしている人は極端な危機感を抱きながら生活していると言っても過言ではありません。

その結果一切外出せずにじっと部屋の中に閉じこもる日々が続いており、そのため健康上好ましくない状態へと進む人も少なくないものと思われます。

確かに

「認知症」の方はある程度の隔離対策(?)が必要になるかとは思いますが、「認知症」ではない方は感染対策の意味をもう一度再認識して必要以上に行動を制限することは止めるべきだと思います。

その意味でもう一度整理してみたいと思いますが、今回の新型コロナウイルスはいわゆる「空気感染」ではなく、あくまでも「飛沫感染」や「接触感染」によって感染するということで、更には狭い空間では一部「エアロゾル感染」も起こりうるということを加味した上で、感染対策を実施すれば良いということになります。

つまり

マスクをして(不織布マスクを利用しなおかつ鼻や頬の隙間はできるだけ密着させる)、人との距離をできれば1m以上空けて、更には狭い空間には15分以上居ない、ということを心がければ感染しないという認識を持つことが大切だと思います。

さらに付け加えれば何かに触った場合はそこにウイルが付着しているという認識を持って、その手で(石鹸で洗うまでは)目鼻口を触らないという心構えも併せ持っていただきたいと思います。

そうすれば

一人で散歩することや、バスや電車に乗ること、スーパーへの買いなども問題ないことが分かります(但しバスや電車、あるいは買い物も、そこが満員だったり、また長時間である場合はリスクが高くなることを考慮に入れるべきだとは思いますが)。

これは単なる私見ですが、外出して「咳き込んでいる人が近くに居た」などリスクが高くなった場合は、帰ってから「鼻うがい」をすることなども有効な気がします。

報道の良くない点は

「高齢者施設でクラスターが発生しています」という文言だけが記憶に残る点で、そのため前記の感染対策をしていてもクラスターが発生したかのように思い込む人も多くなり、その結果じっと家に閉じこもることで足腰が弱ったり、ストレスが高まって食欲がなくなったり、また病院での治療を休むことで体調が悪くなったりとさまざまな好ましくない状態へと進む方も増えていくものと思われます。

感染症には「むやみに恐れず、科学を信じる」ことが大事で、感染対策に携わる方も、単に「不要不急の外出は自粛してください」と言った曖昧な文言でごまかさずに、もっと具体的なアドバイスをして、むだに(逆に必要な場合以外は)部屋に閉じ込めるようなことは避けていただきたいと思います。

 

参考情報:

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