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『私がいつも心配しているのは、勇気をふるって内部告発した個人に拍手かっさいを送るよりも、日本では伝統的に「出る杭は打つ」のが典型的な対応であるということです。』と、オリンパス内部告発の元社長が語っています。

『私は前川さんの側に立つ オリンパス内部告発の元社長』

⇒朝日新聞デジタルの記事へ 
 
※こちらの記事は削除されました。

加計学園の獣医学部新設を巡り、文部科学省の職員の告発で、政府は「総理のご意向」を記した文書の存在を認めざるを得なくなった。義家弘介・文科副大臣は、告発した職員の処分を示唆する。告発者をどう守り、社会の自浄作用をどう働かせたらよいのだろうか。

2011年にオリンパスのスキャンダルを明るみに出すのに関わって以降、私(オリンパスの巨額不正経理を内部告発した、マイケル・ウッドフォードさん)は強い関心をもって、日本において真実を語るために立ち上がろうとする人たちを見てきました。安倍政権の違法な圧力の疑惑に関する文書について勇敢にも自ら進んで声を上げた前川喜平・前文部科学事務次官についても状況を追っています。

(略)

私がいつも心配しているのは、勇気をふるって内部告発した個人に拍手かっさいを送るよりも、日本では伝統的に「出る杭は打つ」のが典型的な対応であるということです。権力者が内部告発者を敵視していることが前川さんへの対応で浮き彫りになっています。

【朝日新聞デジタル 配信】

『権力は腐敗する』という、

有名な言葉が残されていますが、この言葉が示唆していることは、『権力者はその行為が周囲にどのような影響を与えているか分からないため、側近(組織の執行部)の意見に頼ることになり、その結果、執行部体制の維持が主たる方針となることで、全構成員との間に修復できない大きな食い違いが生まれる』ということだと思います。

つまり執行部体制維持のために腐心するということは、執行部内の不正隠蔽を容認することにもなり、その結果、執行部の腐敗が増大して、全構成員の利益とかけ離れた行為に及ぶということで、これを防ぐには、執行部内、あるいは執行部周辺の異なる意見に謙虚に耳を傾ける必要があると思います。

「内部告発」というのは、

異なる意見に耳を傾けない執行部の横暴に対する、執行部内、あるいは執行部周辺からの浄化の動きと考えるべきで、いわば腐敗した組織が更生するための最後の手段ともいえます。

このように考えるならば、「内部告発」を軽視せず、これを一つの良い機会と考えるべきで、当然「内部告発者」への配慮もあってしかるべきだと思います。

本来、

構成員全体の利益を図るための執行部であったものが、次第に執行部自体の利益を図るべく変質するということは、歴史上の多くの出来事によって証明されているところですが、それを防ぐ意味でも、執行部の決定事項についての情報開示(アメリカの機密文書公開のような取り決め)が必要不可欠だと思います。

最近、内閣と官僚間での忖度の問題や資料廃棄の問題などが、頻繁に指摘されているところですが、少なくとも資料の保存義務と、必要な時の閲覧権利(機密事項の非公開期間の設定を含めて)については、早急に法制化されることを求め、またその動向を注視していきたいと思います。

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