『日本だけが消費を拡大できない理由は、長年、謎とされてきたが、近年、経済学と脳科学を組み合わせた学問の発展によって、ヒントになりそうな研究成果が得られている。簡単に言ってしまうと、日本人は諸外国と比較して「意地悪」な人が多く、他人の足を引っ張る傾向が強いというものである。』という興味深い記事が掲載されていました。 |
日本経済はバブル崩壊以降、30年にわたってほとんど成長できない状況が続いている。日本が成長できなくなった最大の理由は、経済の屋台骨だった製造業がグローバル化とIT化の波に乗り遅れ、国際競争力を失ったことである。
だが、成熟した先進国は豊かな消費市場が育っているので、輸出競争力が低下しても国内消費(つまり内需)で成長を継続できるケースが多い。実際、アメリカやイギリスは、製造業の衰退後も内需を原動力に高成長を続けている。
日本は他の先進諸国と同様に、十分な内需が存在しているはずだが、どういうわけか日本の国内消費は低迷が続いており、これが低成長の元凶となっている。
一部からは消費増税が原因であるとの指摘も出ているが、税は経済学的に見て成長を根本的に阻害する要因ではなく、しかも欧州各国が15~20%という高い消費税率であるにもかかわらず順調に成長している現実を考えると、この理屈は当てはまらない。
日本だけが消費を拡大できない理由は、長年、謎とされてきたが、近年、経済学と脳科学を組み合わせた学問の発展によって、ヒントになりそうな研究成果が得られている。簡単に言ってしまうと、日本人は諸外国と比較して「意地悪」な人が多く、他人の足を引っ張る傾向が強いというものである。
【PRESIDENT Online 配信】
この記事には
大変興味深い内容が記載されていると思います。
記事中にもありますが『簡単に言ってしまうと、日本人は諸外国と比較して「意地悪」な人が多く、他人の足を引っ張る傾向が強いというものである。』ということで、結局「何か新しいことをやろうとすると邪魔をされることが多く、その結果スムーズに展開できずに低迷を続けているのではないか」ということのようです。
これは
知人から聞いた話ですが、彼がある大企業のIT関連の仕事をしていた時、大変評価が高くその企業の人からも随分感謝されていたそうですが、その企業の責任者から思いもかけないことを聞かされて愕然としたことがあったそうです。
その内容とは「あなたにもっと多くの仕事をお願いしたいのですが、あなただけにお願いすると結局あなたに頼ることになり、あなたが来られなくなった時に困るので、不満ながらも他の人にも仕事をしてもらっているんですよ」ということで、さらに他の話と総合するとどうやら「あなたの会社に多くの仕事を任せるとあなたの会社の影響力が強まり、作業単価などでこれまで以上の要望を聞かざるを得なくなる」ということが本音として見えてきたそうです。
その知人は
小さなソフト会社を立ち上げたばかりで、良い仕事をして少しでも会社を大きくしたいと思っていたそうですが、「日本では夢の実現は難しいのかも知れない」と言っていたそうです。
本来なら「良い仕事をした所にどんどん仕事を回して、そこに大きくなってもらい将来的にも良い関係を築いていこう」というのがあるべき姿勢だと思いますが、その大企業では「良い仕事をしてくれてもそこに頼ると外注費の値上げなどを要求されたりと面倒になるので、たとえ不満のある所であっても一定程度お願いしてバランスをとった方が得策だ」という姿勢を崩さなかったそうで、正にそれこそが「足を引っ張る姿勢」そのものと言えるのではないでしょうか。
仮に
影響力が強まって外注費が高くなってもその会社と良い関係を保っていけば、やがてその会社が大きな会社になったときには大いに協力してもらえるかも知れませんし、新たな取引が生まれるかも知れません。
日本では下請け、孫請け、ひ孫請けなどと何段階にも受注関係が重なり、その各過程で「ピンはね?」が行われ、実作業を行う最下層の受託会社はほんとうにギリギリで生かさず殺さずの体制の中で苦労しているという話をよく聞きますが、この仕組みの精神というものにも「足を引っ張る姿勢」が色濃く漂っているような気がします。
大企業も
そうですが政府も同様で、たとえば創設したばかりの小さな会社が100万円の利益を上げた場合でも、そこから法人税を徴収する姿勢を変えていません。
しかし創設したばかりの会社が大きくなるにはさらに数千万円単位の資金を必要としますので、ある程度の規模になってから法人税の徴収をすれば会社の成長にとって随分大きな助けになるものと思われますが、ほんの少しの利益でも税金を徴収するという形でやはり「足を引っ張る姿勢」を貫いていると言っても過言ではないのではないでしょうか。
結局
日本という国は社会の仕組みとして「足を引っ張る姿勢」が浸透している国なのかも知れません。
もう少し長い目で、大きな視点で、物事を見る、判断する社会に変わらなければ、結局は自らに跳ね返って成長できずに低迷を続けることになりそうですが、いかがでしょうか。