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内部告発者に不利益な取り扱いをした組織に対する罰則規定が法律にならないことが確定したそうです。


企業や団体の不正をただすため、解雇や左遷などの報復を受けることなく内部告発ができる法律を――。こうした思いを 抱きつつ、公益通報者保護法改正に向けた審議を見守ってきた関係者はいま、一様に沈み込んでいる。審議の舞台になっているのは、内閣府消費者委員会の公益通報者保護専門調査会。その議論が大詰めを迎え、内部告発者に不利益な取り扱いをした組織に対する罰則規定が法律にならないことが確定したからだ。加えて、メディアに対する内部告発へのハードルは今より高くなりそうな雲行きとなっている。「消費者庁は公益通報を抑制する現行法の問題点を放置する一方、企業が不正を内部で握りつぶしやすい環境づくりに加担するのか」。内部告発の経験者や弁護士らからはそうした批判が噴き出している。

報復に対する刑事罰 政府側「必要ない」

11月22日、東京・霞が関。中央合同庁舎第4号館の8階で、「内閣府消費者委員会の公益通報者保護専門調査会」が開かれた。長々とした名のこの調査会こそ、改正法案の審議の場である。

1月から始まった審議の場でこの日、消費者庁は4組の資料を提出した。改正法案の提出予定は来年の通常国会。いずれの資料もそれに向けて、これまでの議論を取りまとめ、改正法案の作成を担う官庁としての意見を示したものだ。

そのうち、「その他の論点について」はA4サイズで14ページ。その中の「不利益取扱いに対する刑事罰」には、こんな言葉が並んでいる。

「(通報者に対する)不利益取扱いの是正のためには、(中略)行政措置を導入するにしても、まずは助言、指導、勧告により是正を図っていくことが適当」「したがって、命令制度の導入ひいてはそれを前提とした間接罰の導入については、今後の検討課題とするのが適当」

そして、内部告発者を解雇や左遷した企業への罰則適用をめぐる議論の結論として、こう書かれていた。

「以上を考慮すると、不利益取扱いに対する刑事罰については、慎重に検討すべき」

【ヤフーニュース 配信】

内部告発者に

不利益な取り扱い(解雇や左遷など)をした組織に対する罰則規定が法律にならないことが確定したそうです。

その理由として『まずは助言、指導、勧告により是正を図っていくことが適当」「したがって、命令制度の導入ひいてはそれを前提とした間接罰の導入については、今後の検討課題とするのが適当」』という文言が添えられています。

では何を契機に「助言や指導、勧告」を行うのでしょうか。

組織の一部で

不適切な行為が行われている時、それを誰に、どのようにして知らせることになるのでしょうか。

組織に影響力のある人に伝えなければ何も変わらないとすれば、そのような人に伝えることになりますが、当然組織に知れることになり、その結果「助言や指導、勧告」が行われたとしても、告発者への不利益な取扱が行われないという保障はありません。

つまり

内部告発というのはそれだけ危険を伴う行為であり、それ故に告発者への不利益な行為が行われた際の罰則の適用は、告発者の保障という意味で必要不可欠なものと言えます。

日本では罰則なしの法が少なくないと思いますが、結局はそれにより何か極端な事例が生じた時に初めて罰則の適用が検討されることが多く、その意味では予防できる混乱をあえて見逃していると言えなくもないのではないでしょうか。

今回

罰則適用が見送られたことにより、内部告発者の負担が軽減されず、そのために多くの組織の不正に泣き寝入りする人の不幸は続くことになります。

今回の報道を受けて、いわゆる学校における「いじめ」という問題も、結局は同じ根を持つ問題だと感じました。

つまり

「いじめ」を告発すると一層「いじめ」が激しくなるから泣き寝入りするということで、「いじめ」が無くならないのは告発者の安全が保障されていないからです。

「助言や指導、勧告」も良いですが、何よりも第一に考えるべきは告発者の保障だと思います。

罰則以外に告発者の保障があるなら、それをまず明確に提示していただきたいと思います。

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