10日に行われたサッカーW杯ロシア大会準決勝でフランス代表に0-1で敗れたベルギー代表のGKティボー・クルトワは、フランスの守備偏重の戦術を「サッカー界にとって恥だ」と批判したそうです。 |
『ベルギー守護神、仏勝利を「サッカー界の恥」と猛批判』
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10日に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)準決勝でフランス代表に0-1で敗れたベルギー代表のGKティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)は、フランスの守備偏重の戦術を「サッカー界にとって恥だ」と批判した。
後半6分にサムエル・ウムティティ(Samuel Umtiti)がヘディングで決勝点となったゴールを決めると、フランスはディフェンスラインを深く保ち、通算3度目の決勝進出をものにした。
イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)に所属するクルトワはベルギー放送局のRTBFに対し、「すごくいら立つ試合だった。フランスは全くプレーしていなかった。彼らのゴールから40メートルのところで11人でディフェンスをしていた」と語った。
「彼らは、足の速いキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)主体のカウンター攻撃を狙っていた。彼らにはその権利はある。彼らは相手が深く守るとどうなるかを分かっていて、そこで僕らは問題を抱えた」
「自分たちより良いチームに負けたのではなく、ディフェンスしかしないチームに負けたことにいら立っている」
「彼らは準々決勝のウルグアイ戦でもFKと相手GKのミスで得点した。今日はCKだ。ベルギーが今日勝てなかったことを恥ずかしく思う。」
【AFPBB News 配信】
いわゆる
サッカーにおける「固い守り」というものについては、以前から疑問を感じていました。
自分からは仕掛けずに、ただ守り続けるサッカーは決して見ていて楽しいものではなく、ある意味卑怯という印象も拭えませんでした。
つまり
じっと引いて固めた布陣に対して、敢えて突破を敢行すると、無理やりこじ開けることになるため、ファウルとみなされることが多くなりますし、また逆にボールを奪われてのカウンター攻撃を受けやすくなります。
柔道に例えると、相手が腰を深く後ろに落として、相手に技をかけさせないようにするのと同じで、この場合も無理に技をかけようとすると切り返しにより、逆に失点となる危険性が増えます。
しかし
柔道の場合は、「故意に取り組まない」、「組んだあと、極端な防御姿勢をとる(通常5秒を超えて)」などの行為に対しては「指導」という罰則が適用されます。
その意味では、いわゆる一方的に守るという行為に対しては、オフサイドの適用を5分間除外するなどの罰則を適用しても良いかも知れません。
これまでは
固い守りであっても、「高さや速さ」を利用して、何とかそれを崩そうとしてきましたし、実際に崩せることもありましたが、互いに「高さや速さ」を備えている場合は、今回のように一種の膠着状態が続くことが増えるものと思われます。
極端に言えば、最初に1点を先取したチームは、その後は守り続けるだけといった試合が多くなる可能性が高まります。
そうなると
観客の興味が次第に薄れていきますので、今後、何らかのルール改定の必要があるという見方が強まるものと思われます。
どんな競技の試合でもそうですが、「勝てば良し」という考え方は、長期的に見ると、試合そのものの興味を低下させる危険性をはらんでいると言っても過言ではないと思います。
勿論
今回のフランスの選択は、短期的な選択としては非難に値するものではありませんが、サッカーへの興味を高めるという視点で考えた場合は、今後のルール改定への一つのきっかけを作った選択と言えるのかも知れません。
やはり「素晴らしい勝利こそ称賛に値する」と言っても過言ではないのではないでしょうか。