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思考や運動などを担う大脳皮質の表面積が増え、「脳回」と呼ばれるしわが形成される際に働く遺伝子を発見したそうです。

『大脳のしわ作る遺伝子発見=難病解明に期待-金沢大』

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思考や運動などを担う大脳皮質の表面積が増え、「脳回」と呼ばれるしわが形成される際に働く遺伝子を発見したと、金沢大の河崎洋志教授や新明洋平准教授らが30日、米科学誌セル・リポーツ電子版に発表した。

大脳皮質の形成過程の異常で、さまざまな障害が生じる難病の仕組みを解明する手掛かりになるという。

脳回は哺乳類でも脳機能が比較的高い種にしかできない。動物実験によく使われるマウスの脳には脳回がないため、河崎教授らはイタチ科のフェレットに注目し、最新技術で遺伝子操作実験を行った。

その結果、大脳皮質の表面側の神経細胞で「Cdk5」という遺伝子が働かないと、脳回が正常にできないことを突き止めた。

【時事ドットコムニュース 配信】

ヒトゲノム解析計画が企画され、1990~2003年に実施されたことはご存知でしょうか。

ヒトゲノム解析計画とは、

人体の染色体上のほぼすべての遺伝情報(ヒトゲノム)の配列の解読、保管、公開についての国際協力計画のことで、これに基づいて、ヒトゲノムのデオキシリボ核酸(DNA)を構成する 30億の塩基対(アデニン A,チミン T,グアニン G,シトシン C)配列の基本情報が解明されました。

また,ゲノム解析の解釈と解析に必要な技術の改良,ヒトDNAに記録されている約 2万5000個の遺伝子すべての特定,ヒトゲノムの全配列解読によって生じうる倫理的,法的,社会的な影響の検討などもその目的に含まれていたそうです。

ウィキペディアによりますと、

『ヒトゲノムとは、ヒト (Homo sapiens) のゲノム、すなわち、遺伝情報の1セットであり、それは核ゲノムとミトコンドリアゲノムから成る。』と記されています。

また『核ゲノムは約31億塩基対あり、細胞核内で24種の線状DNAに分かれて染色体を形成している。最も大きいものが2億5千万塩基対で、最も小さいものが5500万塩基対である。』、『ミトコンドリアゲノムは16569塩基対の環状DNAでミトコンドリアの中に多数存在している。体細胞も生殖細胞も約8000個ずつ持っている。』といった記述もみられます。

このように

いわゆる遺伝子(本体はDNA)の構成についての基本情報は解明されましたが、個々の遺伝子の具体的な働きについてはまだまだ未解明な部分も多いようです。

一般的には遺伝子(DNA)のもつ情報は、蛋白質をつくるためのアミノ酸の順序と数を決定しているといわれていますが、全てのDNAが蛋白質をつくるための情報をもっている訳ではなく、例えばヒトの1個の細胞にある約60億塩基対のDNAのうち、蛋白質の情報をもっているのは約2.5%といわれています。

そんな中、

今回の発表では『大脳皮質の表面積が増え、「脳回」と呼ばれるしわが形成される際に働く遺伝子を発見した』ということですが、このように各遺伝子の具体的な働きが少しずつでも解明されてくれば、状況に応じて必要な遺伝子を増やして投与(遺伝子操作)することも可能になります。

このように生命の神秘が解き明かされるにつれ、しみじみその「壮大さ、緻密さ」の由来についての疑問が生じます。正に「神の仕業」のようだ、と思う人も多いのではないでしょうか。

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