新知事は都政改革本部を設置して調査チームや検証チームを設けると表明したとのことです。
【五輪予算、9月に検証結果=都政改革本部を設置―小池都知事】
東京都の小池百合子知事は2日の就任記者会見で、自らを本部長とする都政改革本部を設置し、その下に情報公開徹底に向けた調査チームと、2020年東京五輪・パラリンピック予算の妥当性を検証するチームを設けると表明した。
五輪予算の検証結果は9月に中間報告をまとめるとした。
都政改革本部は、都職員の他、外部委員がメンバー。業務や組織、予算の点検を進め、結果を都民に公表する。小池知事は「過去の慣例にとらわれず、効率・効果、透明性を重視して取り組む」と語った。
(時事通信 配信)
都知事選で圧勝した小池百合子知事
から見えてくるものは何でしょうか。
与党支持者の中からも、また野党支持者の中からも多くの支持を得たことを思うと、多くの有権者の考え方が見えてきます。
それは
「どの政党でもいいから、きちっと実行してくれる人を選びたい」という考え方だと思います。
与党が推薦した知事は与党の意図を汲んで活動せざるを得ず、また野党が推薦した知事は野党の意図を汲んで活動せざるを得ません。
しかしそれでは「都政を抜本的に改革できない」と思うのは当然で、それゆえに自民党員ではありながらも推薦を受けないで立候補した小池氏に期待が集まったと考えると極めて自然な流れだったと思います。
本来なら
反与党側の独立系の候補者に期待すると思われがちですが、都民からすればこれまでに与党と距離をおいた何人かの個性的(独立的)な知事に期待しながらも、その知事達に裏切られてきたという思いがあり、もはや自民党であっても構わない、実際に行動してくれる人がいい、という考えに至ったのだと思います。
そして更に前の民主党が政権を取って大いに変革がなされると期待したにも関わらず、思い切った変革は皆無で、結局自民党と大差ないという結果を見て、もはや野党としての実行力に信頼がおけなくなったという思いが、多くの有権者の根底にあったことは容易に推察できます。
議員の選挙では
知事の実行力のようなものは期待できないので、このような大きなうねりは起こらず、従来型の結果になり易いですが、知事やあるいは国民によって直接選ばれる首相(大統領)ということになれば、そのような大きなうねりが起こることが証明されたと言っても過言ではないと思います。
ハイネという人が
「政治においては、実生活と同じく、何よりもまず実現可能のことを欲求すべきだ。」という言葉を残しています。
前の民主党の失望感を味わった国民は、もはや野党への期待を捨て、与党・野党などにはこだわらない、単に「実行力」のある指導者への期待にシフトしており、その意味では、やりたいことをいくつか掲げ、少なくともそれを必ず実現するために集まったグループに支持を与える選挙に変わっていくものと思います。
極端に言えば「それ以外は、現政権と同じ政権運営を行うということでも良い」という考え方さえも、受け入れられる時代がくると思います。
これからの為政者は
「すぐに結果の出せない、実行できない政治に対する苛立ち」が、それ程までに強くなっているということを敏感に受け留めて行動する必要があり、そうしなければ早晩国民の支持を失うことになると思われます。
つまり国民は「政党に期待することから離れ、強烈な指導力のある人にシフトしつつある」ということだと思います。