人の上に立つべき人とは

いわゆるエリートの在り方について考えてみました。

一般的には、一流の大学を出て難しい試験を通れば、三段跳びのように高い地位に就くことができると言われています。地位が高いということは、その組織において為すべきことを指示できることを意味し、つまりは方針を決定することが可能になります。しかしこの人達は指示に値する根拠を持っていると言えるのでしょうか。

組織には

下積みとも言える作業から始まり、順にその上部作業へと移行していく傾向があります。誰もが通過してきたことで、それが続けられてきたということは自然で実情に合っていることを意味しています。

指示するには

それだけの根拠が必要であり、複雑な作業になれば指示も変化に応じて変えられなければなりません。これができる人は、やはり下積みから上部作業を経験してきた人達と言うことができます。

ところが

難しい試験に通ってすぐに指示する立場に立った人達には経験が全く不足しています。簡単な指示なら誰にでもできますが、変化に応じて変えられる柔軟性は持っていません。つまりこの人達には根拠が無いということになります。

指示する根拠を持たない人が、

高学歴というお墨付きだけで指示する立場に立つということは、単なる思い付き(書物からの受け売りなど)で指示することを意味しており、人の上に立つリーダーの選び方としては実情に合っていない制度だと言えます。

現実には

思い付きで指示することは許されないので、試験に受かっただけの基盤のない即席リーダーは、指示する根拠を近くのベテランに聞きながら、つまり教えてもらいながら指示を与えていくことになります。

しかしこれでは臨機応変とはいかず、難しい局面ではお手上げとなることは目に見えています。指示を間違えたり、指示すれば後はそれを実行する者達の責任と考える間違いを犯したりすることになります。

適切な指示が為されなければ、

実行もうまくいかないと考えるべきでしょう。基盤のある人達が自然と対応がとれるのは、いろいろな間違いを経験し、真実と向き合ってきたからこその結果なのです。

これらの人達は気取ることもなく、坦々と作業をこなしていき、その姿は風格さえ漂うほどです。見せ掛けだけの、単に指示すれば終わりと考えて、きれいごとばかり並べるリーダーと比べると、その差は歴然としています。

私達は

ペーパーだけの見せ掛けの者をリーダーにする制度を改める必要があります。基盤のある人の中から人の上に立てる人、つまり真のリーダーを選ぶ制度に切り替えていくべきです。

試験でリーダーを決めるのなら、基盤のあることを最低限の入試資格としなければなりません。本当に優秀な人なら入社してすぐに指導的立場に立たせなくても、経験を積むほどどんどん知識を吸収していき、数年で適切な指示を与えることのできる真のリーダーになるはずです。

難しい試験を通って

大学に入学できたから、あるいは会社や役所に入れたから、それで全てを優秀だと判断することには無理があります。

もちろん優秀な人の割合は多いでしょうが、そうであるなら、なおさら、入学・入社・入所した時が全てというのではなく、その後の努力こそを適切に評価し、その結果に基づいて適所に配置すべきだと思います。

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