プロスポーツの在り方

いわゆるスポーツ選手の報酬について疑問に思うことはないでしょうか。

年俸、数十億円という報酬を得ている人もいれば、若くして解雇される選手も少なくありません。全世界の中でほんの一部の人が巨万の報酬を得て、その一方で多くの人が数年で解雇され、転職を余儀なくさせられている現実には強い違和感を覚えます。

具体的に見てみると、プロスポーツの世界では、

少数のトップクラスの選手の年報が数十億円になり、その他の選手はその1%以下で、下の方の選手は0.1%にも満たないと言われています。底辺の選手は1年位で契約を打ち切られ、仕事を失うことも少なくはないようです。

この背景には金銭を目当てにした渡りの構造があり、チーム経営の儲け主義を優先した結果と言えます。この様なシステムは、プロスポーツの世界にとって望ましい姿と言えるのでしょうか。

プロスポーツの世界は

競争が激しく、また怪我などの負傷も多いので、長い間続けることはできないと言われています。そんな中で何の保証もなく、低報酬のまま契約を打ち切られる選手がたくさんいることを子供達が知ったら、その子供達は夢を抱いてその世界を目指してくれるでしょうか。

チームの顔として活躍していた主力選手が

ライバルチームに引き抜かれることも普通で、ファンとしてはとても応援する気にはなれないというのが実情ではないでしょうか。チームの応援の要は人(選手)です。その人が同じチームでやり続けてこそ、ファンもその気持に応えて応援したいと思うのが人情ではないでしょうか。

いわゆる渡りの構造は、

チームを役者の演じる舞台のようなものに変えてしまいます。つまり選手はそのチームのために懸命に活躍する役を演じる役者であり、ファンはその劇を見て一時的な応援の気持を抱くだけで、その熱はすぐに冷えて現実に戻ります。その結果、選手に対する現実的な愛着を持つことは極めて少なくなります。

高い報酬は魅力的で、

誰しも憧れる気持は理解できますが、その世界が長続きするにはチームの利益優先ではなく、ファンとの一体感優先であるべきだと思います。

そのためには主力選手がそのチームに長く骨を埋める仕組み、底辺の選手が長年その世界で暮らせる仕組みを作っていくことが重要だと思います。それがあって初めて、選手を応援し支えていきたいと思う本当のファンが増えていくし、やりたいと思う子供達も増えていくのではないでしょうか。

テレビ放送があるからという意見もありますが、テレビ放送は人気がなくなったらすぐに打ち切られるものです。高額の金銭を求める渡りが、仲間の解雇を早め、チームとしてのまとまりを弱め、結果的にファンを遠ざけることになるとしたら、決して良い方向とは言えないと思います。

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