豊かさは生産力から

人の豊かさとは何でしょう。

一般的に物が増えたり、機能が向上して便利になったり、サービスが向上して快適になったり、心に余裕ができて充実感が増したりすることなどが、豊かさの証と言われています。

その意味では

生産やサービスが盛んになることが人を豊かにしてくれることにつながりますし、逆に生産やサービスが減少すると、働く場がなくなり結果的に人を苦しめることになります。

企業は固定経費がかかるので

何もしないと赤字になって倒産します。それ故に資金を投じて商品を生産し、販売し、資金の回収と利益を得るべく努力します。最低限、固定経費分の利益が得られれば企業の継続が可能ですから、それが企業活動の必須条件とも言えます。

一方人は

何もしないと蓄えがなくなって生活ができなくなります。それ故に働いて、生産やサービスに従事して、金銭を得、消費を増やし、生活の安定と発展のために努力します。

結局、企業も人も

その維持のためには、必要経費がかかります。何もしないでいると現状を維持できなくなるという現実がある訳です。

それらを踏まえて考えるなら、企業は生産(サービス)と販売を通して最低限、組織を維持し続け、人は生産(サービス)への従事と消費を通して最低限、生活を維持し続ける必要があるということになります。

そこから見えてくるものは

生産力の向上こそが重要な目標になっているということです。全てをここに集中すべきとも言えます。幸い技術の向上が同じ資金投入でも生産物の増大をもたらすため、生産力は日ごとに増大し、生活もそれにつれて豊かになっていきます。

この生産と消費というサイクルにとって

大きな障害もあります。それは企業における内部留保や役員への高額報酬など、消費に回らない資金の発生です。消費に回らない資金は、次の生産へと回帰しないので生産力を低下させる要因になります。

世の中は

もっと複雑で業績も様々に変化しますし、消費や生産(サービス)も国内だけではなく海外でも行われていますが、そんな中でも基本に変わりはありません。常に生産し続けないと豊かさも、最低限の生活も享受できず、それは余裕のない人から順に生活が破たんすることを意味します。

これからはますます、

次の生産(サービス)に結びつかない資金を減らすための努力が必要になります。

企業のM&Aが内部留保を増やす要因ならそれを変える仕組みを考える必要があるし、また不安が貯蓄を増やすのならそれを解消する仕組みを考える必要があります。高額報酬者に対しては得た金銭の多くを消費に回すような仕組みも必要です。

そのような努力が結果として、生産力を守り、育てて、そのことによって人々は健康で文化的な生活を享受することが可能になります。「豊かさは生産力から」と言っても過言ではないと思います。

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