腰部脊柱管狭窄症の運動療法
腰部脊柱管狭窄症の方は、体幹屈曲位の歩行になりがちなので、 体幹筋群を強化する運動療法が効果的といわれています。 |
腰部脊柱管狭窄症の方は、
胸を張るような立位姿勢を取ると狭窄が強くなるため痛みが出やすく、逆に骨盤を後傾しつつ背中を丸めると緩解するため痛みが和らぎます。
そのため自然と体幹屈曲位(腰椎を後弯させる体位)で歩行などの動作をすることが日常的となり、その結果、体幹筋群が弱化している方が多いようです。
体幹筋の弱化は
腰椎への負担を増大させ、腰痛を増長しますので、リハビリとしては、この体幹筋を強化する運動(体幹インナーマッスルのリハビリトレーニング)が効果的といえます。
具体的には、腰が反らないようにする筋肉(腰椎の後弯・骨盤の後弯の方向に作用する筋肉)を鍛えることで、対象となる筋肉は腹筋と大殿筋になります。
それらを強化する運動にはいろいろなものがありますが、いくつかご紹介したいと思います。
1.腹式呼吸
①仰向けに寝て、両手をお腹の上にのせます。
②深く息を吸い、その後、お腹をひっこめるように力を入れながら息をゆっくり吐きだします。
②-1.このとき、背中で床を押すように力を入れます。
②-2.更に、お腹に力を入れながら、お尻と足の付け根を少しだけ上方向へ持ち上げるようにします。
※10回を1セットとして、1日3回を目安に行ってください。
2.お尻周りの筋肉を強くする運動
①仰向けに寝て、軽く膝を曲げ、手は体の横に置きます。
②床の隙間を埋めるように背中を押し付けます。
③お尻をつぼめるようにして浮かせ、5秒間姿勢をキープします。
④ゆっくりと元の姿勢に戻します。
※10回を1セットとして、1日3回を目安に行ってください。
3.大腿四頭筋を強くする運動
①骨盤を立てて椅子に座る。
②片足の膝を伸ばして地面と並行になるまで持ち上げる。
③太腿の裏が伸びる状態を意識しながら5秒間キープします。
※10回を1セットとして、1日3回を目安に行ってください。
4.腰のストレッチ
①椅子に座り、腕を頭上に真っ直ぐに上げます。
②左手で右手首をつかんで左上方に引っ張ります。
③上体を左側に傾け右腰が伸びるのを感じながら10~30秒キープします。
④元の姿勢に戻ります。
⑤右手で左手首をつかんで右上方に引っ張ります。
⑥上体を右側に傾け左腰が伸びるのを感じながら10~30秒キープします。
⑦元の姿勢に戻ります。
※長い間座っている時に時々行います。
以上4つの運動を紹介させていただきました。
定期的に行えば必ず効果があると思いますので、是非お試しください。