がんを克服しよう(5)
免疫力を高める生活を
これまでは、
がん治療について、いろいろと調べてみました。
それによって分かったことを整理すると、次のようになります。
- 転移がみられるがんには化学療法が行われる
- 化学療法にはいろいろなものがあり、その中から効果的なものが選ばれて使用される
- 治療ではがん細胞のみを破壊したいが、正常な細胞も破壊される
- 必要な幹細胞や免疫細胞が減少したり、遺伝子が傷ついたりする
- 正常な細胞を補給する方法が提唱されているが、まだ治療の有効性があるとの公の判断がなされていない
- そのため混合診療が禁止されている
更に、
化学療法で使われる抗がん剤には、耐性という問題があるといわれています。つまり、その抗がん剤の攻撃に耐えられるがん細胞が生き残り、生き残ったがん細胞が増殖するという問題です。
これに対しては、別の抗がん剤の使用によって対応することになりますが、選択肢の少ない場合には、正常な細胞への影響がより大きくなる可能性もあります。
その意味でも、
正常な細胞の補給という方法への期待は大きく、一刻も早い研究が望まれるところではありますが、それらが実用化されるまでの間に、できることがないか探してみました。
その結果、「自分の免疫力を、自分の力で元気にする方法」が見つかりました。
体の中には、
毎日3,000~6,000個のがん細胞が生まれており、それらをリンパ球の一種(リンパ球の2割)である、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が処理してくれることで、がん細胞の増殖が抑えられているということは、一般的に知られているところです。
また、がん細胞は約10億個になると、画像診断が可能な大きさになると、いわれていますが、NK細胞を二倍、三倍と増やす生活をすれば、多くのがん細胞であっても破壊することができ、がん治療への頼もしい援軍を送ることになります。
NK細胞の70%は
腸に存在し、大腸よりも小腸に多いとのことですが、腸内には乳酸菌(善玉菌といわれている)という腸内細菌も存在しており、この乳酸菌の働きによって、NK細胞が活性化されるということが、最近分かってきたそうです。つまり乳酸菌の増加が、NK細胞の増加をもたらすということでした。
乳酸菌は、植物系と動物系に分けられ、主に発酵食品に多く含まれています。植物系の乳酸菌は、納豆やぬか漬け、キムチなどの漬物に多く含まれ、動物系の乳酸菌はヨーグルトやチーズなどに多く含まれます。中でもヨーグルト1mlの中には乳酸菌が10億個以上という報告もあります。
これらの食品を積極的に摂取し、是非、自分の力で、NK細胞を増加させていただきたいと思います。
また、より効果的に摂取するためには、
- 継続的に食べること
- 菌が元気なうちに食べること
- 胃酸が薄まる食後に食べること
- エサとなり、その働きを助けるオリゴ糖と一緒に食べること
などが、指摘されています。
ちなみに腸内細菌には、
善玉菌と悪玉菌とがあるといわれていますが、この悪玉菌というのは、肉や脂っこいものなどを食べているときに繁殖しやすいとされ、これが増えると善玉菌の働きが弱くなるそうです。
特に肉を消化するときに使われる胆汁酸と一緒になると、強い発ガン効果がでることが知られていますので、注意が必要です。
乳酸菌のほかには、エリンギやなめこ、シイタケ、まいたけなどのキノコに含まれる「βーグルカン」や、ブロッコリーに含まれる「ブロリコ」に、NK細胞を増やす効果があるといわれています。
食べ物以外では、
「笑い」がNK細胞を増加させる、という報告もあります。
これは、「笑い」により、神経ペプチドが作られ、これが「セロトニン」「ドーパミン」「レラキシン」といった免疫力をアップしてくれる神経伝達物質として働くことで、NK細胞が増加する、というもので、がん患者に漫才を見せて大笑いさせたところ、NK細胞が85%〜600%も増加した、というデータが残されています。
たかが「食品」や「笑い」ですが、
人間の体については、まだまだ多くの謎が残されており、ほんの小さな発見でも、効果があると信じて続けることで、悪い結果になることはないと思います。
特に毎日の積み重ねで、大きく変わることも考えられますので、とりあえず効果があると信じて、積極的に取り入れてみては、いかがでしょうか。