小さなことへの関心

「小さなことへの関心」ということについて、皆さんはどう思いますか。

私達の多くは子供の頃、あるいは学生の頃に「目標を高く持って努力することで、立派な人間になりなさい」というような助言をいただいて大人になっていったのではないでしょうか。

その影響があって、大いに努力して立派な人物になった人もたくさんいると思いますが、反面小さなことへの関心が低くなってしまったということもあると思います。

物事には常に両側面があり

一方を強調することで他方が軽視されるということは、ある意味ではしょうがないことですが、ここではいわゆる「小さなこと」について考えてみたいと思います。

「小さなこと」というのは、ここでは逆説的に用いており、「大きなこと」=「世界中で数人しかできなかったこと、偉大な功績」と規定して、それとは逆の「普通のこと、当たり前のこと」を意味するものとしています。

私達は日頃

「自分のできること」を精力的に行っているでしょうか。たとえば「関係者のために、何か自分にできることはないだろうか」、「自分にとって今は辛い時だが、何かしておくことはないだろうか」などと考えることはどのくらいあるでしょうか。

「大きなこと」を考えると、

つい今の境遇に対する不満がつのり、理想の政治や最良の社会システムへの希望が強くなり、気が付いてみると批判ばかりしている自分に驚くことがあると思います。

「現状では何をやっても無駄だ、システムが変わらなければだめだ」というような考え方になって、今できることがたくさんあっても、それらについては何もしていないという極端な結果となっている場合も多いのではないでしょうか。

理想を持つことも大切ですが、

そのことばかりに目がいくことで身近な普通のことへの関心が低くなり、本来できることまでできなくなるのは大変残念なことです。

「今できることを行う」ことによって、状況が少しずつ開けていき、やがては結果的に「初めの目標に近づけた」ということも少なくないと思います。

高い目標をもつことは「より意欲的な行動を生み出す」という点で大切なことといえますが、そのことばかりに目を奪われると成果を急ぐあまり「地道な努力を忘れる」ということにもなりかねません。

「できる事をやる」ということをもう一度見なおして、「大きな夢」と一緒に心に置いて暮らすことで、「バランスのとれた生き方」が可能になるのではないでしょうか。

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