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遺伝子治療とは

これまで、

保険診療との併用が望まれる、いわゆる自由診療に属する治療方法(以降、補助的治療法と表示)を、幾つか紹介してきました。

これらは保険診療で行われているがん治療である、外科治療(手術)、化学療法(抗がん剤による治療)、放射線治療と併用して行われるべきものと考えますが、もう一度その意味について整理したいと思います。

外科治療(手術)と

放射線治療は、主に部分的ながん細胞除去を目的として使用されるものですが、転移などのある場合、あるいは手術後の予防的措置などの場合は、化学療法(抗がん剤による治療)が使用されます。

現在、一般的に行われている化学療法というのは、化学物質によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療のことですが、なかでも、がん細胞だけが持つ特徴を分子レベルでとらえ、それを標的にした薬である「分子標的薬」を用いて行う治療を、「分子標的治療」と呼んでいます。

化学療法に用いられる主な薬剤としては、次のようなものがあるそうです。

  • がん細胞膜を破壊したり、がんのDNAの合成を抑える「抗がん性抗生物質」
  • DNAと結合することによりがん細胞の分裂を抑える「白金製剤」
  • DNAを合成する酵素の働きを抑えることによって作用する「トポイソメラーゼ阻害剤」
  • がん細胞の増殖を抑制する「代謝拮抗剤」
  • がん細胞のDNAを破壊する「アルキル化剤」
  • 細胞が分裂するのに重要な微小管の働きを止めることで作用する「微小管作用薬」

ここで考慮すべきことは、

これらの治療方法では、正常な細胞も攻撃されるという点です。「分子標的治療」では、その危険性が少なくなるものと思いますが、全くなくなるわけではありません。

そんな時に、補助的治療法-再生療法では、正常な幹細胞を注入できるし、補助的治療法-免疫細胞療法では、正常な免疫細胞(がん細胞を攻撃する細胞)を増やすことができます。

そして本日取り上げた、

補助的治療法-遺伝子治療では、正常な遺伝子を注入することで、がん化した遺伝子の修復が可能になります。

この治療方法は、細胞の分裂と死を管理している遺伝子として、「がん抑制遺伝子」が知られていますが、がん細胞ではこの遺伝子に異常がみられるため、正常な「がん抑制遺伝子」を注入することで修復を図る、というものです。

これらの正常な細胞や遺伝子を

注入するという補助的治療法は、「まだ研究途上であり、治療効果(治療の有効性)があることは、医学的に確認されていないもの」という見解もあり、また、前記の「分子標的治療」で、適切な標的設定が可能になれば、正常な細胞への攻撃がなくなるため、それらを使う必要がなくなる、という見解もあります。

また一方では、補助的治療法を、従来の化学療法(分子標的治療)と組み合わせることで、より有効な治療が行えるという見解もありますし、また特殊な例として、化学療法により正常細胞が攻撃される影響の方がむしろ大きいので、行うべきではない、という見方もありますが、この場合でも、補助的治療法については、特段の否定的見解はみられません。

さまざまな見解がある中で、

患者さんとしては、回復の可能性をより高めるべく、懸命に治療法を探しています。

自由診療を受ける受けないは、患者さんの意思に任せ、少なくともそれによって、保険診療分の給付が打ち切られることだけは、避けるべきだと考えます。

がん治療において、一番大切なものは、患者さんの希望、諦めない力です。それを生み出すのが、多様な可能性です。その可能性を広げる道を、今後も模索し、追求していきたいと思います。

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