二院制の意味

現在の政治的仕組みとしては二院制が採用されています。

そして衆議院と参議院で与野党の勢力が分かれて過半数を占めるという事態、しかも衆議院で三分の二に満たないという事態を招いていますが、国民としてはどう考えれば良いのでしょうか。

今はいわゆる「ねじれ国会」となっており、

与党の提出した法案がなかなか成立していません。衆議院で通過した法案であっても参議院で否決されるからです。それでも衆議院で三分の二の賛成票が得られれば再度の投票で成立可能ですが、現状ではそれも適わない状況にあります。

このような「ねじれ国会」は法案の成立を難しくし、与党政府の施策が滞ることを意味しています。

本来ならばその時点における多数勢力を占める政党の政策がどんどん成立し、実行に移されるはずですが、衆議院と参議院という二院制の選挙の仕組がそれを妨げる結果を生み出していると言えます。

つまり選挙の間隔(衆議院選挙後の参議院選挙の間隔)が短いが故に、その間での民意の変化を受け止められない制度になっていることを意味しています。

衆議院選挙後の参議院選挙において、

民意は衆議院で多数を占めた政党を否定しました。その理由としては「約束と違う施策を実施している」、「消費税の増額をいきなり言い出した」などが大きなものといえると思います。

本来なら「後の民意」により政権が運営されるべきですが、この「後の民意」は参議院での過半数を占めただけで、両議院の過半数ではないことが問題を複雑にしています。

要するに数の論理からすれば

最後は両議院総数での過半数で決めるべきです。でもそうすると今回の場合は直近の民意を無視するという問題が残ります。このままでは政治の空白、つまりは国費の無駄遣いが続くことになります。これを防ぐためには、二院制について考え直す必要があるのではないでしょうか。

そもそも衆議院のほかに参議院があるのは何故なのでしょうか。

「任期が長いのでじっくり検討できる」、「昔の貴族院のなごり」など、でしょうか。他にも理由はあると思いますが、現時点においてはあまり決定的な理由はないと思います。共に同じ政党が戦う選挙となっているからです。

極端に言えば衆議院だけでも良いと思います。

選挙サイクルの関係で民意の変化を表明しやすいという側面が大きく影響するためですが、ただ民意の変化を調べるという点に限れば、国民投票でも良いという考え方もあります。

さらに衆議院の任期を更に短くして民意の変化を敏感に反映させるべきという考え方もありますが、ただ任期の問題は政権運営を考えると四年は必要という考え方もありますので充分考慮されるべきだと思います。

仮にどうしても

「衆議院と立場の異なる議員団で補完したい」ということであるなら、参議院の候補者を「政治・経済の専門家に限る」、「どの政党にも属さない人に限る」など、と限定して残す方法もあるかと思います。

そして衆議院と逆の議決になった場合は、直近の民意を優先して決める仕組みが一番望ましいものと考えます。

上記のような参議院なら政党の思惑に左右されつことはないし、また両議院がことごとく反対の議決になったとしても、より民意の近い方が優先されることで納得感もあると思われます。マニフェストと極端に変わった施策に対しても、その時の民意がそれを阻止できることになれば、違和感もかなり少なくなるはずです。

いずれにしろ

与党の施策がいつまでも成立しない国会運営は不毛といえます。解散して民意を問うという考え方もありますが、「なにかと言えばすぐに解散」というのも政権運営上、安定性を欠くことになりますのであまり良い方法とはいえないと思います。

憲法問題もそうですが、ずっと昔に決められて、現状にあっていない仕組みがたくさんあり、国民はこれらの仕組みに対して、もっと勇気をもって変えていく姿勢が求められているのではないでしょうか。

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