共産党“党首選挙”求めた党員を除名処分
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『共産党は、志位委員長の辞任や、すべての党員による投票で委員長を選出する「党首選挙」を求める本を出版した党員について、重大な規律違反だとして除名処分にしました。』とのことです。 |
共産党は、志位委員長の辞任や、すべての党員による投票で委員長を選出する「党首選挙」を求める本を出版した党員について、重大な規律違反だとして除名処分にしました。
共産党の党員、鈴木元氏は、ことし1月に出版した本で、党勢回復のためには党の改革が必要だとして、志位委員長の辞任やすべての党員による投票で委員長を選出する「党首選挙」の実施を求めました。
これについて共産党は「民主的に運営している党の姿をゆがめ、党の規約を踏みにじる重大な規律違反だ」などとして16日、鈴木氏を除名処分としました。
一方、鈴木氏は17日、記者会見を行い、「除名される筋合いはなく、強く抗議したい。撤回を求めたい」と述べました。
共産党をめぐっては、鈴木氏と同様に「党首選挙」の実施を求める本を出版した元党職員が先月、「党が異論を許さないかのように事実をゆがめて攻撃した」などとして除名処分となっています。
田村政策委員長は、記者会見で「さまざまな分断が持ち込まれていることを残念に思う。今の党の指導部は役割を果たしている」と強調しました。
【NHK 配信】
今回の
記事を見て率直に思ったことは「簡単に除名処分にする党なんだな」ということでした。
党首公選制の導入を否定する理由としては「直接選挙で党首を選ぶと党首に相当権限が集中するので必ずしも民主的だと思っていない」、「規約で派閥・分派はつくらないと明記している」ということが挙げられるようですが、果たしてこの考え方は的を射ていると言えるのでしょうか。
記事中には
「民主的に運営している党の姿をゆがめ、党の規約を踏みにじる重大な規律違反だ」という文言もあるようですが、この指摘には違和感を感じます。
そもそも「民主」という言葉の意味には「党執行部・党幹部よりも党員を主体とする」という考え方が貫かれており、党首を党員の選挙で選ぶことを否定するのであれば「民主」に背く行いと言わざるを得ません。
また
「党員が党首を選ぶと権限が集中する」という文言も見られますが、「権力は腐敗する」という言葉もあり、長年の腐敗が蓄積している場合はなおさら新しい権限の集中によりそれらを排除・修正することが求められるのではないでしょうか。
同じ考え方の人たちが集まって構成している党であっても、その細部においては様々な違いが混在しているのが人の集団の特徴でもあり、それ故に派閥・分派は必然の行いと言えます。
つまり
細部についての違いを止揚するためには派閥・分派という過程が必要であり、その働きがあればこそ問題をより先鋭化することができ、その結果多くの判断材料を提供することになり、最終的には正しいと思われる結論に至ることができると言っても過言ではないと思います。
付け加えればそのような派閥・分派という働きこそが組織の硬直化を防ぎ、結果として集団の活力を維持する源と言えるのではないでしょうか。
その意味では
自民党のしたたかさが大いに参考になると思います。
これまで何度も見られたように「過程ではさまざまな意見が飛び交い、多少の混乱があっても最終的にはまとまる」という手法こそが正に民主的手法であり、単に粛々と決められる手法は民主的というよりはむしろ独裁的な手法に近いような気がします。
ロシアや中国のような独裁国家では国民の直接の投票は大きく制限されていますが、今回の共産党の手法がそれらの国の手法と似ている印象を受けるのは私だけでしょうか。
参考情報:
- 共産・志位委員長、党首公選を否定 「民主的と思わず」
- 共産幹部、除名党員を非難 「語るに落ちた」[※この記事は削除されました]
- 共産、党員除名批判に反論=「異論封じ」否定、統一選に影響も [※この記事は削除されました]