データで見る人口減のヤバさ


『2月28日に厚生労働省が発表した2022年の自然増減数(速報値)は78万人のマイナスと過去最大の減少で、前年と比べたら17万人も多く減った。』そうです。


 

実際、日本の人口はかつてなく減少している。2月28日に厚生労働省が発表した2022年の自然増減数(速報値)は78万人のマイナスと過去最大の減少で、前年と比べたら17万人も多く減った。佐賀県や山梨県の人口が80万人弱だから、これと同規模の人口が1年で消失したことになる。

予想より10年早く訪れた「出生数80万人割れ」

背景にあるのは少子化だ。前出の厚労省の発表によれば、2022年の出生数(速報値)は79.9万人と7年連続で過去最少を記録。速報値には日本における外国人、外国における日本人などを含むため、日本における日本人だけを数えた確定数は77万人ほどになるとみられる。

政府はここに来て「異次元の少子化対策」を打ち出し、子ども関連の予算を「倍増」するという。ただ少子化問題は30年前から本格化しており、抜本的な対策が打たれないまま出産適齢期に入った少子化世代は経済格差にさいなまれ、結婚・出産を「リスク」として避けている。

急速な少子高齢化のひずみは年金・医療制度を揺るがし、地方経済を衰退させるなど多方面に波及している

【東洋経済ONLINE 配信】

日本では

かなり以前から少子化の問題が提起されその対策もいろいろと講じられているようですが未だに効果が現れているとは言い難いようです。

私は少子化という問題についてはかねてから「それ程問題にする必要はない」という立場に傾きつつあります。

一般的に

少子化の問題点と言えば「若い世代が高齢者(福祉)を支える」という概念に基づくものが多く、たとえば「若い世代が納める税金や保険料などが福祉のために使われる」というものが典型的なものだと思いますが、そのような考え方からすれば確かに支える人が少なくなれば支えきれないだろうという推測が成り立ちます。

しかしそのような考え方は実情を反映しているものなのでしょうか。

ここで

一番身近なインスタントラーメンについて考えてみたいと思いますが、1971年の生産量は400万食であるのに対して2021年には38.8億食というデータがあります。

このデータだけでは詳しいことは分かりませんが、要するにその生産性はどんどん向上しており結果として機械化による製造コストもかなりの低下がみられるものと思われます。

本来なら

この生産性が向上した分の貨幣流通量は比例して増加すべきものであり企業の利益はその流通貨幣量の増加によってのみ獲得可能と言えます。

仮に日本に会社が1社(日本株式会社)しかなく、全ての働く日本人がその会社に勤めていると仮定した場合、その会社の生産物の販売価格の合計は全ての働く日本人に支払われる給料合計よりは多いはずで(多い分が利益になるため)、そのことは全ての働く日本人が全給料分をその生産物の購入に費やしても全ての生産物が売り切れることはないということを意味しています。

実際の経済は

もっと複雑で設備投資や貿易などいろいろな要素が混在していますが、それらを極端に単純化するとそうなるのではないでしょうか(貿易については最終的には各国が自分の生産物を売りたいということで考えると除外できる-他国での消費を期待できない-はずです)。

つまり日本株式会社の給料だけでは生産性の向上分を吸収できないということで、まさにその分を貨幣として(借金ではなく単に印刷してそれを国の予算として組み入れることで)流通させる必要があり、そうしなければ会社は利益を手にすることはできません。

勿論

この貨幣流通量の増加のためには必要な生産物の生産量に見合った金額という制約があり(この計算は難しいものと思われますが)それを間違えれば(不要な生産物の生産量を加味するなど)大幅なインフレ(貨幣価値の低下)につながることになります。

以上のことから考えを進めると、この生産量の増大が見込める体制の維持こそが重要で、この生産力こそが福祉を支え、国を支えるのであり、決して子供の数ではないはずです。

むしろ子供の数は貨幣流通量の増加の結果として増えるものだと思われます。

少子化の問題は

中国でも起きているとの報道もありますが、14億人以上の人口を誇る国であっても少子化が問題となるとすれば、つまりは人口がどんどん増え続けなければ経済が疲弊することになるとすれば、これはあまりにも実情とはかけ離れた考え方のような気がします。

本来必要な生産物をたくさん生産して、またAIの力も借りてその分に見合った貨幣を流通させることで初めて企業は全ての生産物を販売して利益を手にすることができると思います。

そしてその結果

さらなる設備投資の増加へと向かい、より生産力を増大させるという真っ当な生産と消費のサイクルが発展的に構築されていくのではないでしょうか。

子供が少なくなっても機械化(製造機械やロボットなどの増加)が進めば決して経済が衰退するどころか、今以上にとてつもない速度で繁栄の道を辿れるものと期待していますが、いかがでしょうか。

 

参考情報: